JAJA791A June   2020  – March 2023 AMC1100 , AMC1200 , AMC1300B-Q1 , AMC1302 , AMC1311 , AMC1336 , AMC3301 , AMC3330 , ISO224

 

  1.   1
  2.   絶縁型アンプによるクラス最高の放射エミッション EMI 性能
  3.   商標
  4. 1はじめに
  5. 2テキサス・インスツルメンツの現行世代の絶縁型アンプの放射エミッション性能
  6. 3テキサス・インスツルメンツの前世代の絶縁型アンプの放射エミッション性能
  7. 4まとめ
  8. 5参考資料
  9. 6改訂履歴

はじめに

容量性絶縁バリアを備えた絶縁型アンプでは、バリアをまたぐコンデンサがデータ送信用に 1 または 0 の形で充放電されるときに、放射エミッションが発生する可能性があります。電荷は差動コンデンサを逆方向に流れ、ほとんどは互いに打ち消し合います。ただし、これらの電荷の流れの間に大きさや時間の差があると、絶縁されたグランド GND1 と GND2 の間に電磁エネルギーが注入されます。絶縁バリアの性質上、エネルギーはソースに戻る導体を見つけることができません。ソースに戻るパスがないため、エネルギーはデバイスのピン (およびそれらが接続されているすべてのパターンや PCB プレーン) から放射エミッションの形で放射されます。この放射は、ピコ秒単位のタイミングの不一致に起因するため、アンプの信号帯域幅とデータ レートを大幅に上回る周波数まで拡大する可能性があります。

 絶縁型アンプのブロック図図 1-1 絶縁型アンプのブロック図

この数年の間に、放射 EMI 性能を最適化する目的で、テキサス・インスツルメンツの絶縁型アンプのアーキテクチャに大幅な改良が加えられました。2018 年の ISO224 のリリース以降、テキサス・インスツルメンツの絶縁型アンプでは、従来使用されていたパルス符号変調の代わりにオン / オフ キーイング (OOK) 信号変調を使用するようになりました。OOK 変調により、同相過渡耐性レベルが大幅に向上しました。その後、2020 年に、絶縁バリアをまたぐエネルギー量を大幅に低減した初の絶縁型アンプ AMC1300B-Q1 がリリースされました。これにより、放射エミッションが低減し、標準仕様に対して十分なマージンが確保されるようになりました。これらの設計変更と絶縁された信号路は、AMC1100AMC1200ISO224 のデバイスを除く、テキサス・インスツルメンツの絶縁型アンプの製品ラインアップ全体に反映されています。信号チェーン内で最適化されたタイミングと振幅により、高周波での放射エミッション EMI をさらに低いレベルまで低減できます。

以下のセクションでは、テキサス・インスツルメンツの絶縁型アンプの放射エミッション EMI 性能を示します。AMC1300B-Q1 を例として現行世代の絶縁アンプの放射エミッション性能を示し、ISO224AMC1200 を使用して前世代のデバイスのデータを示します。放射エミッションのスキャンは、いずれも CISPR 11 で規定されている規格に従って行いました。いずれの試験でも、入力をグランドに短絡し、トランス ドライバ (U3) を取り外し、短いリードで外部 3.6V バッテリに接続した AMC1300EVM プリント基板 (PCB) を使用しています。それぞれのスキャンについて、被試験デバイス (DUT) の水平掃引の結果を青で示し、チャンバーのノイズ フロアを示す周囲のスキャンを赤で重ねて示してあります。CISPR 11 の Class A と Class B の両方の制限もグラフに示しています。水平偏波を選択したのは、PCB でのアライメントの関係で、試験用機器のアンテナで検出されるエミッション レベルが垂直偏波よりも高かったためです。