JAJS301E March 2007 – July 2022 TPS5450
PRODUCTION DATA
出力キャパシタの設計で重要な要因は、DC 電圧定格、リップル電流定格、および等価直列抵抗 (ESR) です。DC 電圧定格とリップル電流定格は、超えることができません。ESR とインダクタ・リップル電流によって出力リップル電圧が決まるため、ESR は重要です。出力キャパシタの実際の値は重要ではありませんが、実用上の制限がいくつかあります。設計上の目的とする閉ループのクロスオーバー周波数と、出力フィルタの LC コーナー周波数との関係に注意してください。内部補償の設計の観点から、閉ループのクロスオーバー周波数は 3kHz~30kHz の範囲内に維持することをお勧めします。この周波数の範囲では、十分な位相ブーストが得られ、動作が安定します。この設計例では、目的とする閉ループのクロスオーバー周波数が 2590Hz~24kHz の範囲内であり、出力キャパシタの ESR ゼロよりも低いことを想定しています。これらの条件では、閉ループのクロスオーバー周波数は、以下の式によって LC コーナー周波数に関連付けられます。
また、出力フィルタの出力キャパシタの要求値は、以下の値になります。
目的のクロスオーバー周波数が 12 kHz で 15μH のインダクタを使用している場合、出力キャパシタの計算値は 330μF になります。ESR ゼロがループ・クロスオーバーよりも大きくなるように、キャパシタのタイプを選択する必要があります。最大 ESR は次の式で計算されます。