JAJS313H July 2008 – October 2023 TPS54331
PRODUCTION DATA
TPS54331 デバイスには入力デカップリング・コンデンサが必要で、アプリケーションによってはバルク入力コンデンサも必要になります。デカップリング・コンデンサの標準推奨値は 10μF です。高品質の X5R または X7R セラミック・タイプをお勧めします。電圧定格は、最大入力電圧よりも大きい必要があります。他の要件をすべて満たしていれば、より小さい値も使用できます。ただし、多くの回路は 10μF で適切に動作することが示されています。また、TPS54331 回路が入力電圧源から約 2 インチ以上離れている場合は特に、多少のバルク容量が必要になる場合があります。このコンデンサの値はそれほど重大ではありませんが、リップル電圧を含めた最大入力電圧を処理できる定格が必要で、入力リップル電圧が許容範囲に収まるよう出力をフィルタリングできることも必要です。この設計では、入力デカップリング・コンデンサに 2 個の 4.7μF コンデンサを使用しています。これらのコンデンサは、定格 50V の X7R 誘電体です。等価直列抵抗 (ESR) は約 2mΩ、電流定格は 3A です。また、高周波フィルタリングのために、小さな 0.01μF コンデンサも使用されています。
入力リップル電圧を計算するには、式 6 を使用します。
ここで、
最大 RMS リップル電流も確認する必要があります。ワーストケース条件について、式 7 を使用して最大 RMS 入力リップル電流である ICIN(RMS) を計算します。
この場合、入力リップル電圧は 143mV、RMS リップル電流は 1.5A になります。
実際の入力電圧リップルは、レイアウトに関連する寄生成分と、電圧源の出力インピーダンスの影響を大きく受けます。
この回路の実際の入力電圧リップルは表 8-1 に示してあり、計算された値よりも大きくなっています。それでも、測定値は仕様の入力制限である 300mV を下回っています。入力コンデンサの両端の最大電圧は VIN(MAX) + ΔVIN / 2 です。選択したバルクおよびバイパス・コンデンサはそれぞれ定格 50V で、リップル電流容量は 3A を上回り、ともに十分なマージンが得られます。どのような環境であっても、電圧と電流の最大定格を超えないようにすることが重要です。