JAJS313H July   2008  – October 2023 TPS54331

PRODUCTION DATA  

  1.   1
  2. 特長
  3. アプリケーション
  4. 概要
  5. 改訂履歴
  6. ピン構成および機能
  7. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD 定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報
    5. 6.5 電気的特性
    6. 6.6 スイッチング特性
    7. 6.7 代表的特性
  8. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1  固定周波数 PWM 制御
      2. 7.3.2  電圧リファレンス (VREF)
      3. 7.3.3  ブートストラップ電圧 (BOOT)
      4. 7.3.4  イネーブル、および可変の入力低電圧誤動作防止 (VIN UVLO)
      5. 7.3.5  SS ピンを使用したプログラム可能なスロー・スタート
      6. 7.3.6  エラー・アンプ
      7. 7.3.7  勾配補償
      8. 7.3.8  電流モード補償設計
      9. 7.3.9  過電流保護および周波数シフト
      10. 7.3.10 過電圧過渡保護
      11. 7.3.11 サーマル・シャットダウン
    4. 7.4 デバイスの機能モード
      1. 7.4.1 Eco-mode
      2. 7.4.2 VIN < 3.5V での動作
      3. 7.4.3 EN 制御による動作
  9. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 設計要件
      2. 8.2.2 詳細な設計手順
        1. 8.2.2.1  WEBENCH® ツールによるカスタム設計
        2. 8.2.2.2  スイッチング周波数
        3. 8.2.2.3  出力電圧の設定点
        4. 8.2.2.4  入力コンデンサ
        5. 8.2.2.5  出力フィルタ部品
          1. 8.2.2.5.1 インダクタの選択
        6. 8.2.2.6  コンデンサの選択
        7. 8.2.2.7  補償部品
        8. 8.2.2.8  ブートストラップ・コンデンサ
        9. 8.2.2.9  キャッチ・ダイオード
        10. 8.2.2.10 出力電圧の制限
        11. 8.2.2.11 消費電力の推定
      3. 8.2.3 アプリケーション曲線
    3. 8.3 電源に関する推奨事項
    4. 8.4 レイアウト
      1. 8.4.1 レイアウトのガイドライン
      2. 8.4.2 レイアウト例
      3. 8.4.3 電磁干渉 (EMI) に関する考慮事項
  10. デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 9.1 デバイスのサポート
      1. 9.1.1 開発サポート
        1. 9.1.1.1 WEBENCH® ツールによるカスタム設計
    2. 9.2 サポート・リソース
    3. 9.3 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    4. 9.4 商標
    5. 9.5 静電気放電に関する注意事項
    6. 9.6 用語集
  11. 10メカニカル、パッケージ、および注文情報

入力コンデンサ

TPS54331 デバイスには入力デカップリング・コンデンサが必要で、アプリケーションによってはバルク入力コンデンサも必要になります。デカップリング・コンデンサの標準推奨値は 10μF です。高品質の X5R または X7R セラミック・タイプをお勧めします。電圧定格は、最大入力電圧よりも大きい必要があります。他の要件をすべて満たしていれば、より小さい値も使用できます。ただし、多くの回路は 10μF で適切に動作することが示されています。また、TPS54331 回路が入力電圧源から約 2 インチ以上離れている場合は特に、多少のバルク容量が必要になる場合があります。このコンデンサの値はそれほど重大ではありませんが、リップル電圧を含めた最大入力電圧を処理できる定格が必要で、入力リップル電圧が許容範囲に収まるよう出力をフィルタリングできることも必要です。この設計では、入力デカップリング・コンデンサに 2 個の 4.7μF コンデンサを使用しています。これらのコンデンサは、定格 50V の X7R 誘電体です。等価直列抵抗 (ESR) は約 2mΩ、電流定格は 3A です。また、高周波フィルタリングのために、小さな 0.01μF コンデンサも使用されています。

入力リップル電圧を計算するには、式 6 を使用します。

式 6. Δ V I N = I O U T M A X × 0.25 C B U L K × F S W + I O U T M A X × E S R M A X

ここで、

  • IOUT(MAX) は最大負荷電流です。
  • FSW はスイッチング周波数です。
  • CBULK はバルク・コンデンサの値です。
  • ESRMAX はバルク・コンデンサの最大直列抵抗です。

最大 RMS リップル電流も確認する必要があります。ワーストケース条件について、式 7 を使用して最大 RMS 入力リップル電流である ICIN(RMS) を計算します。

式 7. ICINRMS=IOUTMAX2

この場合、入力リップル電圧は 143mV、RMS リップル電流は 1.5A になります。

注:

実際の入力電圧リップルは、レイアウトに関連する寄生成分と、電圧源の出力インピーダンスの影響を大きく受けます。

この回路の実際の入力電圧リップルは表 8-1 に示してあり、計算された値よりも大きくなっています。それでも、測定値は仕様の入力制限である 300mV を下回っています。入力コンデンサの両端の最大電圧は VIN(MAX) + ΔVIN / 2 です。選択したバルクおよびバイパス・コンデンサはそれぞれ定格 50V で、リップル電流容量は 3A を上回り、ともに十分なマージンが得られます。どのような環境であっても、電圧と電流の最大定格を超えないようにすることが重要です。