JAJSD50H April   2017  – November 2023 INA181 , INA2181 , INA4181

PRODUCTION DATA  

  1.   1
  2. 特長
  3. アプリケーション
  4. 概要
  5. デバイスの比較
  6. ピン構成および機能
  7. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD 定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報
    5. 6.5 電気的特性
    6. 6.6 代表的特性
  8. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1 広い帯域幅と大きなスルーレート
      2. 7.3.2 双方向電流監視
      3. 7.3.3 広い入力同相電圧範囲
      4. 7.3.4 高精度ローサイド電流センシング
      5. 7.3.5 レール・ツー・レール出力
    4. 7.4 デバイスの機能モード
      1. 7.4.1 通常モード
      2. 7.4.2 単方向モード
      3. 7.4.3 双方向モード
      4. 7.4.4 入力差動過負荷
      5. 7.4.5 シャットダウン・モード
  9. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
      1. 8.1.1 基本的な接続
      2. 8.1.2 RSENSE とデバイスのゲインの選択
      3. 8.1.3 信号フィルタリング
      4. 8.1.4 複数の電流の加算
      5. 8.1.5 リーク電流の検出
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 設計要件
      2. 8.2.2 詳細な設計手順
      3. 8.2.3 アプリケーション曲線
    3. 8.3 電源に関する推奨事項
      1. 8.3.1 26V を超える同相過渡
    4. 8.4 レイアウト
      1. 8.4.1 レイアウトのガイドライン
      2. 8.4.2 レイアウト例
  10. デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 9.1 デバイスのサポート
      1. 9.1.1 開発サポート
    2. 9.2 ドキュメントのサポート
      1. 9.2.1 関連資料
    3. 9.3 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    4. 9.4 サポート・リソース
    5. 9.5 商標
    6. 9.6 静電気放電に関する注意事項
    7. 9.7 用語集
  11. 10改訂履歴
  12. 11メカニカル、パッケージ、および注文情報

リーク電流の検出

負荷に流入する電流と負荷から流出する電流が同一であることを確認する必要がある場合があります。通常これは、診断テストまたは障害検出の一部として行われます。この場合、高精度の電流差分が必要です。これは加算と同じですが、2 つのアンプの入力が互いに逆になるよう接続されている点が異なります。リーク電流を正しく検出するには、電流検出抵抗 RSENSE の値をすべてのチャネルで同じにする必要があります。双方向のリーク電流検出を可能にするため、REF1 入力に外部基準電圧を印加します。

負荷に流入する電流が、負荷から流出する電流と等しい場合、OUT2 の電圧は REF1 に印加された電圧と同じになります。2 つの電流の正確な差分を取得するには、基準電圧を印加する必要があります。基準電圧は、デバイスの出力がグランドに駆動されるのを防ぎ、負荷に流入する電流が負荷から流出する電流より大きいか小さいかを検出できるようにします。

電流差分を取得するには、図 8-5 に示すように、デュアル チャネル INA2181 の入力が互いに逆になるよう接続する必要があります。最初のチャネルのリファレンス入力により、ストリング内のすべてのデバイスの出力静止レベルが設定されます。最初のチャネルの出力を、2 番目のチャネルのリファレンス入力に接続します。最初のチャネルのリファレンス入力により、出力の基準電圧が設定されます。この回路の例は電流加算の例と同じですが、2 つのシャント入力の極性が反転されています。通常動作条件では、最終的な出力は基準電圧値に非常に近く、電流差分に比例したものになります。この電流差分回路は、負荷に流入する電流と負荷から流出する電流が一致しないことを検出するのに役立ちます。

GUID-3F5DD63F-ECAF-432D-B3FC-2350B6783F3B-low.gif図 8-5 リーク電流の検出

図 8-6 に、差分構成の出力応答の例を示します。最初のチャネルのリファレンス ピンは 2.048V の基準電圧に接続されています。図に示すように、各回路の入力は 100Hz の正弦波で、互いに 180° の位相差があるので、出力は 0 になります。最初の回路への正弦波入力は、入力波が完全に GND を上回るようにオフセットされます。

GUID-98524C65-9F6E-4C73-AAB3-2B6048251CE6-low.gif
VREF = 2.048 V
図 8-6 電流差分アプリケーションの出力応答 (A2 デバイス)