JAJSEI9B October 2017 – January 2018 UCC28056
PRODUCTION DATA.
入力電源からPFC段が引き出す電力は次の式で表します。
負荷電力が一定である代表的なアプリケーションを仮定すると、入力サイクルの一部では、電源から過剰な電力が引き出され、出力コンデンサに蓄積されます。入力サイクルの他の部分では、負荷電力が入力電力を上回り、この不足分を出力コンデンサから供給しなければなりません。出力コンデンサと電力をやり取りするこのプロセスによって、必然的に入力周波数の2倍の出力電圧リップルが生じることとなります。この入力周波数の2倍のリップルは、POut/COut比と入力周波数にのみ依存します。
いくつかあるアプリケーション要件のいずれかを優先して、出力コンデンサ値を選択します。
この設計例では、入力周波数の2倍の出力リップル電圧の振幅はそのレギュレーション値の3%未満であると仮定します。これを実現するために必要なPOutMax/COut比は、Equation 41を用いて計算できます。
Equation 42を用いて、この165Wの設計例に必要な容量値を計算します。
入力電流の全高調波歪み(THD)を最小に抑えるには、最大出力電圧リップル振幅がEquation 43に示す条件を満たしていなければなりません。この条件を満たしていれば、出力電圧リップルの極値によりエラー・アンプの非線形ゲインがアクティブになることはありません。
Equation 44を用いて、出力コンデンサを流れる最大RMSリップル電流を計算します。
出力コンデンサに流れ込むこの電流には、スイッチング周波数成分(ICOutRMSHF)と入力周波数の2倍のリップル成分(ICOutRMSLF)があります。
電解コンデンサには通常、入力周波数の2倍(120Hz)でのリップル定格電流と、これとは異なるスイッチング周波数(100kHz)でのリップル定格電流があります。これらの定格は、入力周波数の2倍ではコンデンサのESRが高くなり、したがって、この周波数で発生するリップル電流は同じ振幅のスイッチング周波数リップルよりも大きな電力損失を招くという事実を反映しています。最適なコンデンサを選定するには、コンデンサを流れる等価高周波リップル電流を考慮してください。
パラメータKHLFは、使用予定であるコンデンサ・シリーズの高周波と低周波のRMSリップル定格電流の比です。
この設計例では、サイズと定格を考えて、Rubycon BXWシリーズ(450BXW68MEFC12.5X45)の68µF/450Vコンデンサ2個を選定し、並列接続します。これにより、コンデンサ値の要件とリップル定格電流の両方を満たし、マージンも若干増やすことができます。