JAJSGD9E October   2018  – August 2020 UCC23513

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. ピン構成および機能
    1.     ピン機能
  6. 仕様
    1. 6.1  絶対最大定格
    2. 6.2  ESD 定格
    3. 6.3  推奨動作条件
    4. 6.4  熱に関する情報
    5. 6.5  電力定格
    6. 6.6  の絶縁仕様
    7. 6.7  安全関連認証
    8. 6.8  安全限界値
    9. 6.9  電気的特性
    10. 6.10 スイッチング特性
    11. 6.11 絶縁特性曲線
    12. 6.12 代表的な特性
  7. パラメータ測定情報
    1. 7.1 伝搬遅延、立ち上がり時間と立ち下がり時間
    2. 7.2 IOH と IOL のテスト
    3. 7.3 CMTI テスト
  8. 詳細説明
    1. 8.1 概要
    2. 8.2 機能ブロック図
    3. 8.3 機能説明
      1. 8.3.1 電源
      2. 8.3.2 入力段
      3. 8.3.3 出力段
      4. 8.3.4 保護機能
        1. 8.3.4.1 低電圧誤動作防止 (UVLO)
        2. 8.3.4.2 アクティブ・プルダウン
        3. 8.3.4.3 短絡クランプ
    4. 8.4 デバイスの機能モード
      1. 8.4.1 ESD 構造
  9. アプリケーションと実装
    1. 9.1 アプリケーション情報
    2. 9.2 代表的なアプリケーション
      1. 9.2.1 設計要件
      2. 9.2.2 詳細な設計手順
        1. 9.2.2.1 入力抵抗の選択
        2. 9.2.2.2 ゲート・ドライバの出力抵抗
        3. 9.2.2.3 ゲート・ドライバの電力損失の推定
        4. 9.2.2.4 接合部温度の推定
        5. 9.2.2.5 VCC コンデンサの選択
  10. 10電源に関する推奨事項
  11. 11レイアウト
    1. 11.1 レイアウトのガイドライン
    2. 11.2 レイアウト例
    3. 11.3 PCB 材料
  12. 12メカニカル、パッケージ、および注文情報

ゲート・ドライバの出力抵抗

外部ゲート・ドライバ抵抗 RG(ON) および RG(OFF) は、以下の目的で使用します。

  1. 寄生インダクタンスおよび容量に起因するリンギングの制限
  2. 高電圧または高電流スイッチングの dv/dt、di/dt、ボディ・ダイオードの逆方向回復に起因するリンギングの制限
  3. ゲート駆動強度 (すなわちピーク・シンクおよびソース電流) の微調整によるスイッチング損失の最適化
  4. 電磁干渉 (EMI) の低減

出力段には、P チャネル MOSFET と N チャネル MOSFET を並列接続したプルアップ構造があります。総ピーク・ソース電流は 4.5A です。例として、式 1 を使用してピーク・ソース電流を推定します。

式 1. GUID-01F7E620-9F8B-4AD0-AEDF-28C6E88963C3-low.gif

ここで

  • RGON:外付けターンオン抵抗
  • RGFET_Int:パワー・トランジスタのデータシートに記載されているパワー・トランジスタの内部ゲート抵抗。この例では 0Ω と想定されています。
  • IOH:ピーク・ソース電流 – 4.5A (ゲート・ドライバ・ピーク・ソース電流) とゲート駆動ループ抵抗に基づく計算値のうちの小さい方の値
  • VGDF:RGON および RGOFF と直列に接続された各ダイオードの順方向電圧降下。この例では、ダイオードの電圧降下は 0.7V です。

この例では、ピーク・ソース電流は式 2 で計算されたように約 1.7A です。

式 2. GUID-F4B4D73A-F3D0-4212-B995-CCA252CCD0C5-low.gif

同様に、ピーク・シンク電流を計算するには、式 3 を使用します。

式 3. GUID-1FC8679E-ED29-4459-9AB9-0E9741106457-low.gif

ここで

  • RGOFF:外付けターンオフ抵抗
  • IOL:ピーク・シンク電流 – 5.3A (ゲート・ドライバ・ピーク・シンク電流) とゲート駆動ループ抵抗に基づく計算値のうちの小さい方の値

この例では、ピーク・シンク電流は式 4 と 5.3A の小さい方の値です。

式 4. GUID-64775528-ECBF-4072-9FA4-8D1038F82EF6-low.gif

図 9-1 に示す RGON および RGOFF それぞれと直列に接続されているダイオードは、ターンオンおよびターンオフ時に、ゲート駆動電流がそれぞれ目的のパスを経由して流れるようにします。ダイオードの順方向降下により、パワー・スイッチのゲートの電圧レベルが低下することに注意してください。レール・ツー・レールのゲート電圧レベルを実現するには、VOUT ピンとパワー・スイッチ・ゲートの間に抵抗を追加し、抵抗値を RGON と RGOFF の約 20 倍にします。このセクションで説明する例では、100Ω~200Ω を選択することをお勧めします。

注:

推定ピーク電流は、PCB レイアウトと負荷容量の影響も受けます。ゲート・ドライバのループの寄生インダクタンスは、ピーク・ゲート駆動電流を遅れさせ、オーバーシュートとアンダーシュートを発生させる可能性があります。そのため、ゲート・ドライバのループをできるだけ小さくすることを強く推奨します。一方、パワー・トランジスタの負荷容量 (CISS) が非常に小さい (通常 1nF 未満) 場合、ピーク・ソースおよびシンク電流はループ寄生素子に支配されます。なぜなら、立ち上がりおよび立ち下がり時間が非常に小さく、寄生リンギングの周期に近いためです。