JAJSJC3A May   2021  – November 2021 LP5860

PRODUCTION DATA  

  1.   1
  2. 特長
  3. アプリケーション
  4. 概要
  5. 改訂履歴
  6. デバイスの比較
  7. ピン構成および機能
  8. 仕様
    1. 7.1 絶対最大定格
    2. 7.2 ESD 定格
    3. 7.3 推奨動作条件
    4. 7.4 熱に関する情報
    5. 7.5 電気的特性
    6. 7.6 タイミング要件
    7. 7.7 代表的特性
  9. 詳細説明
    1. 8.1 概要
    2. 8.2 機能ブロック図
    3. 8.3 機能説明
      1. 8.3.1 時分割多重マトリクス
      2. 8.3.2 アナログ調光法 (電流ゲイン制御)
      3. 8.3.3 PWM調光
      4. 8.3.4 オン / オフ制御
      5. 8.3.5 データ リフレッシュ モード
      6. 8.3.6 全アドレスを指定可能な SRAM
      7. 8.3.7 保護および診断
    4. 8.4 デバイスの機能モード
    5. 8.5 プログラミング
    6. 8.6 レジスタ マップ
  10. アプリケーションと実装
    1. 9.1 アプリケーション情報
    2. 9.2 代表的なアプリケーション
      1. 9.2.1 アプリケーション
      2. 9.2.2 設計要件
      3. 9.2.3 詳細な設計手順
      4. 9.2.4 プログラム手順
      5. 9.2.5 アプリケーション特性の波形
  11. 10電源に関する推奨事項
  12. 11レイアウト
    1. 11.1 レイアウトのガイドライン
    2. 11.2 レイアウト例
  13. 12デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 12.1 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    2. 12.2 サポート・リソース
    3. 12.3 商標
    4. 12.4 静電気放電に関する注意事項
    5. 12.5 用語集
  14. 13メカニカル、パッケージ、および注文情報

PWM調光

各 LED ドットの PWM デューティ サイクルを制御するには、複数の方法があります。

  • 各 LED ドットに個別の 8 ビット / 16 ビット PWM

    すべての LED は、PWM デューティによって LED 輝度を変更するために使う個別の 8 ビットまたは 16 ビット PWM レジスタを備えています。LP5860 は、高いリフレッシュ レートで 16 ビット深度を実現するため、拡張スペクトラム PWM (ES-PWM) アルゴリズムを使用しており、これにより、高速カメラでのちらつきを防止できます。従来型の 8 ビット PWM と比較して、16 ビット PWM は LED アニメーション アプリケーションにおいて非常に高い調光分解能を実現するのに役立ちます。

  • プログラム可能な 3 つの 8 ビット PWM 調光グループ

    1~3 つのグループとして LED を選択するため、グループ PWM 制御が使われます。ここで、デューティ サイクルを制御するため、各グループは個別のレジスタを持っています。各 LED は、その LED が 3 つのグループのうちのいずれに所属するか、またはいずれのグループにも所属しないかを選択するため、LED_DOT_GROUP レジスタ (x = 0、1、…、54) の 2 つの選択ビットを持っています。

    • 00:どのグループにも所属しない。
    • 01:グループ 1 に所属する。
    • 10:グループ 2 に所属する。
    • 11:グループ 3 に所属する。

  • グローバル調光のための 8 ビット PWM

    グローバル PWM 制御機能はすべての LED に同時に作用します。

最終的な PWM デューティ サイクルは、以下のように計算できます。

式 5. PWM_Final(8-bit) = PWM_Individual(8-bit) × PWM_Group(8-bit) × PWM_ Global(8-bit)
式 6. PWM_Final(16-bit) = PWM_Individual(16-bit) × PWM_Group(8-bit) × PWM_ Global(8-bit)

LP5860 は 125kHz または 62.5kHz の PWM 出力周波数をサポートしています。PWM 周波数は、「Dev_initial」レジスタの「PWM_Fre」を設定することで選択されます。PWM 出力を生成するため、内蔵の 31.2MHz 発振器が使われます。この発振器の高精度設計 (ƒOSC_ERR ≦ ±3%) は、複数の LP5860 デバイスを相互に接続した際の同期特性の改善を可能にします。

同時にターンオンさせた際の電流オーバーシュートを防止するため、各電流シンクに PWM 位相シフト機能が実装されています。LED ドライバが同時に作動することがないため、前段の電源からのピーク負荷電流が大幅に減少します。この方式では、入力電流のリップルとセラミック コンデンサの可聴リンギングも低減されます。LED ドライバは、3 つの異なる位相にグループ化されています。Dev_config1 レジスタの「PWM_Phase_Shift」(デフォルトはオフ) を設定することで、LP5860 は tPHASE_SHIFT = 125ns のシフト時間 (図 8-4 を参照) に対応します。

  • 位相 1:CS0、CS3、CS6、CS9、CS12、CS15。
  • 位相 2:CS1、CS4、CS7、CS10、CS13、CS16。
  • 位相 3:CS2、CS5、CS8、CS11、CS14、CS17。
LP5860 位相シフト図 8-4 位相シフト

ライン スイッチング時の大電流シンク出力リップルを防止するため、ラインがターンオンした後、1 クロック (PWM 周波数に応じて 62.5ns または 31.25ns) 遅れて電流シンクがターンオンするように設定できます (図 8-3 を参照)。この機能は、Dev_config1 レジスタの 「CS_ON_Shift」で設定できます。

LP5860 では、Dev_config1 レジスタの「PWM_Scale_Mode」を使って、調光スケールを指数関数的 (ガンマ補整) と線形関数的のどちらかに設定できます。人間の目に優しい調光曲線が必要な場合、内蔵の固定指数スケールを使うことが簡単な方法です。特殊な調光曲線が必要な場合、線形スケールとソフトウェア補正を組み合わせて使うことを推奨します。LP5860 は、8 ビットおよび 16 ビット PWM 深度の、線形関数的調光曲線と指数関数的調光曲線の両方をサポートしています。図 8-5 に、8 ビット PWM 深度の例を示します。

LP5860 線形および指数関数的調光曲線図 8-5 線形および指数関数的調光曲線

要約すると、PWM 制御方式は図 8-6 のように示されます。

LP5860 PWM 制御方式図 8-6 PWM 制御方式