JAJSOB8B March 2023 – April 2024 ADS127L21
PRODUCTION DATA
動作にはリファレンス電圧が必要です。リファレンス電圧入力は差動で、VREF = VREFP - VREFN と定義され、REFP および REFN ピンに印加されます。リファレンス電圧の動作範囲の詳細については、「リファレンス電圧の範囲」セクションを参照してください。
図 7-5 に示すように、リファレンス入力はアナログ入力と同様の入力構造を持っています。ESD ダイオードはリファレンス入力を保護します。リファレンス ピンの電圧が AVSS を 0.3V 以上下回る、または AVDD1 を 0.3V 上回ることがないようにします。これらの制限により、ESD ダイオードがオンにならないようになっています。このような条件が起きる可能性がある場合は、外付けのクランプ ダイオード、直列抵抗、または両方を使用して、入力電流を指定の値に制限します。
リファレンス電圧は、サンプリング コンデンサ CREF によってサンプリングされます。バッファなしモードでは、電流はリファレンス入力を経由してサンプリング コンデンサを充電します。この電流は、DC 成分と AC 成分で構成され、AC 成分は変調器のサンプリング クロックの周波数によって変化します。リファレンス入力電流の仕様については、「電気的特性」表を参照してください。
リファレンス サンプリング コンデンサを充電するには、リファレンス電圧がサンプル位相 t = 1 / (2 · fMOD) の最後でセトリングする必要があります。リファレンス電圧のセトリングが不完全な場合、ゲイン誤差とゲイン誤差ドリフトが大きくなる可能性があります。低速度モードで動作すると、変調器のサンプリング クロック周波数が低下するため、リファレンス ドライバがセトリングするための時間が長くなります。
ADC には、サンプリング コンデンサによって消費される電荷を低減するため、REFP 入力のプリチャージ バッファ オプションがあります。プリチャージ バッファは、リファレンス サンプリング コンデンサ CREF の粗い充電を行います。サンプル フェーズの途中で、プリチャージ バッファがバイパスされます (図 7-5に示すように、S1 は上側の位置にあり ます)。ここで、外部ドライバはサンプリング コンデンサに精密な充電を行います。バッファによりサンプリング コンデンサの電荷要求が減少するため、リファレンス電圧の入力インピーダンスは増加します。
多くのアプリケーションでは REFN がグランドに接続されるため、このような場合は REFN 用のプリチャージ バッファは必要ありません。REFN が低インピーダンスのソースではないアプリケーションでは、REFN 入力のバッファリングを検討してください。