JAJSPS5C October 2014 – February 2023 TDC1000
PRODUCTION DATA
受信パスのノイズを最小限に抑え、タイミング精度を最大限に高めるため、RX パスに 2 つのフィルタを配置することをお勧めします。図 8-5 に示すように、1 つのフィルタを LNAOUT ピンと PGAIN ピンとの間、もう 1 つのフィルタを PGAOUT ピンと COMPIN ピンとの間に配置します。
帯域内ゲインが 10 なら、LNA の帯域幅は 5MHz です。ほとんどのアプリケーションでは、LNAOUT ピンと PGAIN ピンとの間のローパス・フィルタで十分です。
図 8-5 に示すように、2 番目のフィルタ段では、ローパス・フィルタ (RF1 と CF3) のカスケードを使用し、その後に VCOM を基準とするハイパス・フィルタ (CF2 と RF2) を使用できます。フィルタの設計は明快です。最初に RF1 と CF2 を選択できます。RF1 と CF2 で適切な値の組は、RF1 = 1kΩ±10%、CF2 = 50pF±10% です。目的の中心周波数が ƒC で、フィルタ帯域幅が ƒB なら、CF3 の値は次のように計算できます。
RF2 と CF2 は、フィルタのハイパス・コーナーを決定します。エコー受信時間中にコンパレータ入力で DC バイアス・レベルを維持するため、RF2 は VCOM を基準とする必要があります。RF2 の値が RF1 より大きいときは、ハイパス・フィルタからローパス・フィルタに限定された負荷効果があり、コーナー周波数の精度が向上します。下の図に示す値を選択すると、ハイパス・コーナー周波数は約 600kHz、ローパス・コーナー周波数は約 3MHz になります。
さらに複雑なフィルタも使用できます。信号の振幅が小さすぎる場合は、外部ゲインを使用できます。フィルタのパスバンドがオクターブよりも広い場合は、リニア・グループ遅延を持つフィルタ設計を使用することをお勧めします。