JAJSPS5C October   2014  – February 2023 TDC1000

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. ピン構成および機能
  6. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD 定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報 #GUID-85677192-3B04-4958-89B0-56EA7EB89E00/APPNOTE_SPRA953
    5. 6.5 電気的特性
    6. 6.6 タイミング要件
    7. 6.7 スイッチング特性
    8. 6.8 代表的特性
  7. パラメータ測定情報
  8. 詳細説明
    1. 8.1 概要
    2. 8.2 機能ブロック図
    3. 8.3 機能説明
      1. 8.3.1 トランスミッタの信号パス
      2. 8.3.2 レシーバ信号パス
      3. 8.3.3 低ノイズ・アンプ (LNA)
      4. 8.3.4 プログラマブル・ゲイン・アンプ (PGA)
      5. 8.3.5 レシーバ・フィルタ
      6. 8.3.6 STOP パルス生成用のコンパレータ
        1. 8.3.6.1 スレッショルド検出器と DAC
        2. 8.3.6.2 ゼロクロス検出コンパレータ
        3. 8.3.6.3 イベント・マネージャ
      7. 8.3.7 同相バッファ (VCOM)
      8. 8.3.8 温度センサ
        1. 8.3.8.1 複数の RTD による温度測定
        2. 8.3.8.2 単一の RTD による温度測定
    4. 8.4 デバイスの機能モード
      1. 8.4.1 TOF 測定モード
        1. 8.4.1.1 モード 0
        2. 8.4.1.2 モード 1
        3. 8.4.1.3 モード 2
      2. 8.4.2 ステート・マシン
      3. 8.4.3 送信動作
        1. 8.4.3.1 送信パルスのカウント
        2. 8.4.3.2 TX の 180°パルス・シフト
        3. 8.4.3.3 トランスミッタのダンピング
      4. 8.4.4 RECEIVE 動作
        1. 8.4.4.1 シングル・エコー受信モード
        2. 8.4.4.2 マルチ・エコー受信モード
      5. 8.4.5 タイミング
        1. 8.4.5.1 タイミング制御と周波数スケーリング (CLKIN)
        2. 8.4.5.2 TX/RX 測定のシーケンスとタイミング
      6. 8.4.6 TOF (飛行時間) 制御
        1. 8.4.6.1 短い TOF 測定
        2. 8.4.6.2 標準 TOF 測定
        3. 8.4.6.3 パワー・ブランキングを使用する標準 TOF 測定
        4. 8.4.6.4 同相リファレンス電圧のセトリング・タイム
        5. 8.4.6.5 TOF 測定のインターバル
      7. 8.4.7 平均化とチャネル選択
      8. 8.4.8 エラー報告
    5. 8.5 プログラミング
      1. 8.5.1 シリアル・ペリフェラル・インターフェイス (SPI)
        1. 8.5.1.1 チップ・セレクト・バー (CSB)
        2. 8.5.1.2 シリアル・クロック (SCLK)
        3. 8.5.1.3 シリアル・データ入力 (SDI)
        4. 8.5.1.4 シリアル・データ出力 (SDO)
    6. 8.6 レジスタ・マップ
  9. アプリケーションと実装
    1. 9.1 アプリケーション情報
    2. 9.2 代表的なアプリケーション
      1. 9.2.1 液位と液体の識別の測定
        1. 9.2.1.1 設計要件
        2. 9.2.1.2 詳細な設計手順
          1. 9.2.1.2.1 液位測定
          2. 9.2.1.2.2 液体識別
        3. 9.2.1.3 アプリケーション曲線
      2. 9.2.2 水流量測定
        1. 9.2.2.1 設計要件
        2. 9.2.2.2 詳細な設計手順
          1. 9.2.2.2.1 規制と精度
          2. 9.2.2.2.2 超音波流量計での伝搬時間差方式
          3. 9.2.2.2.3 ΔTOF の精度要件の計算
          4. 9.2.2.2.4 動作
        3. 9.2.2.3 アプリケーション曲線
    3. 9.3 電源に関する推奨事項
    4. 9.4 レイアウト
      1. 9.4.1 レイアウトのガイドライン
      2. 9.4.2 レイアウト例
  10. 10デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 10.1 デバイスのサポート
      1. 10.1.1 開発サポート
    2. 10.2 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    3. 10.3 サポート・リソース
    4. 10.4 商標
    5. 10.5 静電気放電に関する注意事項
    6. 10.6 用語集
  11. 11メカニカル、パッケージ、および注文情報

低ノイズ・アンプ (LNA)

TDC1000 のフロント・エンドの LNA は、入力換算ノイズを制限し、生成される STOP パルスのタイミング精度を確保します。LNA は、外部入力コンデンサまたは抵抗を使用して 20dB の閉ループ・ゲインを実現するように設計された反転アンプです。LNA は、2 つのフィードバック構成に対してプログラムできます。バンドパス構成は、容量性フィードバック・モードと呼ばれ、入力コンデンサと組み合わせる必要があります。ローパス構成は、抵抗性フィードバック・モードと呼ばれ、入力抵抗と組み合わせる必要があります。入力部品の推奨値は、それぞれ 300pF と 900Ω です。

容量性フィードバック・モードでは、共振周波数が数 MHz の桁のトランスデューサに合わせて LAN を構成できます。この場合は、TOF_1 レジスタの LNA_FB ビットを 0 にクリアします。図 8-2 に示すように、外部コンデンサ CIN は、トランスデューサと、対応する入力ピンとの間に配置する必要があります。これにより、CIN/CF の帯域内ゲインが得られます。ここで、CF はオンチップの 30pF 帰還コンデンサです。CIN = 300pF なら、LNA 回路の帯域内ゲインは次のようになります。

式 1. GUID-E67FC10A-F983-4167-9E3A-EF37D6D04F00-low.gif
GUID-8605284F-6BDA-4560-865D-4D4A20C430C1-low.gif図 8-2 LNA の容量性帰還の構成

LNA の容量性帰還の構成には、バンドパス周波数応答があります。ハイパス・コーナー周波数は、内部帰還部品の RF (9kΩ) と CF (30pF) により設定され、約 590kHz です。帯域内ゲインはコンデンサの比率によって設定され、LNA の 50MHz のゲイン帯域幅積は、周波数応答のローパス・コーナーを設定します。たとえば、帯域内ゲインが 10 なら、590kHz~5MHz のバンドパス応答が得られます。

LNA は、数百 kHz の桁の共振周波数を持つトランスデューサについて、抵抗性帰還モードで構成できます。この場合は、TOF_1 レジスタの LNA_FB ビットを 1 にセットします。この構成では、内部帰還コンデンサ CF が切断され (図 8-3を参照)、LNA 回路の DC ゲインは内部帰還抵抗 RF (9kΩ) と外付け抵抗 RIN との比によって決定されます。RIN = 900Ω なら、回路のゲインは 10 です。

GUID-5509BD5E-B05C-48FC-A82E-189CF9EA7296-low.gif図 8-3 LNA の抵抗性帰還の構成

TOF_1 レジスタの LNA_CTRL ビットに 1 を書き込むと、LNA をバイパスしてディセーブルできます。