「電気的特性」に記載されているほとんどの仕様は、自動試験装置 (ATE) を使用してテストされています。そのため、これらの仕様は照射前と照射後の両方を簡単にテストできます。また、これらの仕様は通常、RLAT (放射線ロット受け入れテスト) フローの一部です。ただし、ATE での測定が困難な仕様もあり (ゲインが高い、または寄生成分の影響を受けやすいなどの理由による)、それらはベンチ特性評価中にのみ測定されます。通常、これらの仕様は照射後には測定されません。
PSRR、ノイズ、安定性は重要な仕様ですが、ATE を使用して測定されないため、従来の RLAT フローの一部ではありません。これらの主要な仕様に関する追加情報を提供するため、3 つの評価基板で 1 回だけ特性評価を行いました。これら 3 つの評価基板には、100krad(Si) の高線量率 (HDR) でバイアス印加および照射を行いました。
PSRR、ノイズ、および安定性の測定値はすべて、照射下で良好な結果を示した。一般的に次のことが言えます。
- TID 後の PSRR は、100Hz~1kHz の範囲でわずかに低くなっています。ユニット 1 では TID 後に約 10dB 低くなっていますが、このような高ゲインの測定が困難なため、セットアップに関連する問題と考えられます。いずれにしても、PSRR はこの範囲内で依然として非常に高い値 (95dB 超) です。
- TID 後の PSRR は、100Hz 未満および 1kHz を超える範囲でわずかに低くなっています。
- ノイズの測定値は、10Hz~10kHz の範囲では徐々に増加します。
- 10Hz 未満と 100kHz を超える範囲では、ノイズの測定値はほぼ同じです。
- RMS ノイズの計算値は、TID 後には平均で 120nVRMS 高くなります。
- 平均位相マージン振幅シフトは約 7° です。位相マージンは、前および後の測定すべてで高く維持されます。
- 平均ゲイン マージン振幅シフトは約 2dB です。この変化は最小限と考えられ、測定誤差内である可能性があります。
完全なデータは以下のとおりです。特に記述のない限り、評価基板の条件は VIN = 2.5V、VOUT = 1.8V、VBIAS = 5V、COUT = 2 x 100µF (表 9-4 を参照)、CSS = 4.7µF、RREF = 12.0kΩ、RBIAS = 10Ω、CBIAS = 4.7µF、TA = 25℃で、積分ノイズは 10Hz~100kHz の帯域幅で報告されます。
図 9-6 IOUT = 100mA での PSRR 図 9-8
IOUT = 100mA でのノイズ スペクトル密度 照射前:位相マージン = 78°、ゲイン マージン = 24dB
照射後:位相マージン = 82°、ゲイン マージン = 23dB
図 9-10 ボード線図:ユニット 1、IOUT = 100mA照射前:位相マージン = 81°、ゲイン マージン = 23dB
照射後:位相マージン = 76°、ゲイン マージン = 26dB
図 9-12 ボード線図:ユニット 2、IOUT = 100mA照射前:位相マージン = 78°、ゲイン マージン = 24dB
照射後:位相マージン = 81°、ゲイン マージン = 21dB
図 9-14 ボード線図:ユニット 3、IOUT = 100mA図 9-7 IOUT = 1A での PSRR 図 9-9 IOUT = 1A でのノイズ スペクトル密度 照射前:位相マージン = 91°、ゲイン マージン = 18dB
照射後:位相マージン = 100°、ゲイン マージン = 16dB
図 9-11 ボード線図:ユニット 1、IOUT = 1A照射前:位相マージン = 96°、ゲイン マージン = 17dB
照射後:位相マージン = 88°、ゲイン マージン = 19dB
図 9-13 ボード線図:ユニット 2、IOUT = 1A照射前:位相マージン = 90°、ゲイン マージン = 18dB
照射後:位相マージン = 101°、ゲイン マージン = 15dB
図 9-15 ボード線図:ユニット 3、IOUT = 1A