JAJSVL6 November 2024 F29H850TU
ADVANCE INFORMATION
コントローラの強度は、プロセッサの速度だけではなく、システム全体の能力で測定されます。この方程式の一部として、特定の機能の CPU 帯域幅を減らすことができれば、システム能力が高くなります。多くの場合、アプリケーションで帯域幅が大量に消費されるのは、データを移動するときで、オフチップ メモリからオンチップ メモリへ、また A/D コンバータ (ADC) のようなペリフェラルから RAM へ、またはあるペリフェラルから別のペリフェラルへのデータ移動などがあります。さらに、多くの場合、このデータは、CPU の最適な処理能力に合致した形式にはなっていません。この章で説明する RTDMA モジュールは、CPU の帯域幅を解放し、リアルタイムでより効率的な処理が可能なパターンにデータを再配置する機能を備えています。
RTDMA モジュールはイベント ベースのマシンであり、RTDMA 転送を開始するにはペリフェラル チャネルまたはソフトウェア トリガが必要です。タイマを RTDMA トリガ ソースに構成して、RTDMA モジュールを一定周期で駆動されるマシンにすることもできますし、また、モジュール自体の中でチャネルを利用してメモリ転送を定期的に開始することもできます。RTDMA モジュールには 10 個の RTDMA チャネルがあり、それぞれ個別に構成でき、各チャネルにはそれぞれ独立した割り込みコントローラによる割り込みが用意されているので、RTDMA 転送の開始または完了を CPU に通知できます。10 個のチャネルはすべて、4 つの優先レベルのいずれかに設定でき、1 つのチャネルを他のチャネルよりも高い優先度に選択できます。RTDMA の中心にはステート マシンと緊密に結合されたアドレス制御ロジックがあります。このアドレス制御ロジックにより、転送中のデータ ブロックの再配置や、バッファ間でのデータのピンポン処理が可能になります。これらの各機能については、この章で詳しく説明します。