JAJSVL6 November 2024 F29H850TU
ADVANCE INFORMATION
ハードウェア セキュリティ モジュール (HSM) は、デバイス内の自己完結型サブシステムで、セキュリティ機能と暗号化機能を備えています。ホスト C29x サブシステムは、HSM サブシステムと接続して、コード認証、セキュア ブート、セキュア ファームウェア アップグレード、暗号化されたランタイム通信に必要な暗号化操作を実行します。図 7-11 に、このデバイスの各種サブシステムの概略図を、HSM サブシステムを強調表示して示します。
HSM の中心には、100MHz で動作する ARM® Cortex®-M4 CPU があり、SRAM、ROM、および最大 512KB のフラッシュ メモリが搭載されています。リアルタイム DMA (RTDMA) モジュールは、HSM CPU と SRAM、HSM とアプリケーション フラッシュ メモリ バンク、セキュア メールボックス、暗号化エンジン間での高速データ転送を可能にします。
セキュリティ マネージャ モジュールは、信頼ルート キーのホスト、セキュア アクセス メカニズムの定義、デバッグ ファイアウォールの制御、セキュリティ オーバーライド シーケンスの実行により、デバッグまたは障害解析操作が必要な場合にセキュリティ資産を保護します。
HSM には、暗号化アルゴリズムを実行するためのアクセラレータ エンジンのセットが含まれています。これらのエンジンは、対称暗号化アルゴリズム、ハッシュ関数、公開キー インフラストラクチャ用の非対称暗号化アルゴリズム、および真性乱数生成器 (TRNG) の高速実行を可能にします。データ変換およびハッシュ エンジン (DTHE) は、CPU と暗号化アクセラレータとの間のインターフェイスとして機能し、割り込みと RTDMA トリガの管理、CRC やチェックサム計算などの重要な機能を提供します。
また、HSM には、各種セキュリティ機能 (タイマ、リアルタイム カウンタ、ウォッチドッグ、クロック監視用 DCC、エラー処理用 ESM) をサポートするペリフェラル モジュールが搭載されています。
HSM とホスト アプリケーション コア間の通信には、セキュア メールボックス インターフェイスが使用されます。HSM は、セキュア メールボックス、暗号化エンジン、共有 RAM、デバイス フラッシュ メモリなど、デバイス内のさまざまなセキュア ファイアウォールを制御します。