JAJT260 march 2023
図 2 に示すように、キャパシタ (CCL) と MOSFET (QCL) で形成されるアクティブ・クランプ・レッグを出力インダクタの前に挿入することで、実効デューティ・サイクル (Deff) 周期内にアクティブ・クランプ・レッグの電流伝導が発生します。その結果、2 次巻線電圧 (VSEC) と整流器電圧のストレスが CCL 電圧 -VCL にクランプされます。出力整流器にかかる電圧ストレスを低減するには、キャパシタ電圧リップルの CCL を十分大きくなるように選択する必要があります。目安としては、Lr と CCL で形成されるインダクタ・コンデンサ (LC) の共振期間が、式 1 で表されるスイッチング期間 (Ts) [3] に比べて大幅に長くなるように選択します。
整流器電圧のストレスは、アクティブなスナバで VINx NS/NP 付近までクランプされます。これは、クランプ回路なしでの電圧ストレスの約半分です。
パッシブなスナバと異なり、アクティブなスナバはパワー抵抗のリンギング・エネルギーを消費しません。その代わりに、無損失スナバとして LC 共振タンクのエネルギーを循環させます。出力巻線電圧が 0 以外になると、エネルギーは 1 次巻線から 2 次巻線に転送され、QCL がオンになっていなくても、QCL のボディ・ダイオードを通じて出力インダクタを活性化させ、電流を伝導させます。本体がすでに電流を伝導した後に QCL をオンにすると、QCL は確実にゼロ電圧スイッチング (ZVS) になります。そのため、同じ仕様においては、パッシブなスナバで PSFB コンバータを使うより、アクティブなスナバで PSFB コンバータを使うほうが高い変換効率を期待できます。