JAJT262 january   2023 TPS543B22 , TPS548A28 , TPS56121

 

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  2. 概要
  3. アプリケーションの選択と境界設定
  4. 2 段目のフィルタの設計
  5. 電圧モード制御アーキテクチャ
  6. D-CAP3 制御アーキテクチャ
  7. 高度な電流モード (ACM) 制御アーキテクチャ
  8. 効率の低下
  9. まとめ
  10. 関連資料
  11. 10関連 Web サイト

電圧モード制御アーキテクチャ

電圧モード制御アーキテクチャによるパルス幅変調 (PWM) は、出力電圧と基準電圧からの電圧誤差信号を、一定ののこぎり (ランプ) 波形と比較することで実現されます。ランプは、発振器からのクロック信号によって開始されます。TPS56121 は、2 極電力段を対象とする外部補償型のタイプ 3 補償を採用しており、2 段目のフィルタを追加した後にコンバータを再補償できます。2 段目のフィルタを追加した後に外部抵抗とコンデンサの値を調整することで、安定性が確保されます。フィルタを追加しない場合の出力電圧のピーク・ツー・ピーク・リップルは 4.8mV です。追加のフィルタを適用すると、出力電圧リップルは 1.9mV になります (図 2 を参照)。この場合、TPS56121 の設計では、安定性を確保するためのループ補償の調整は必要ありません。図 3 は、10A の負荷ステップでの負荷過渡波形を示しており、2 段目のフィルタを実装した後の出力電圧波形には不安定性の兆候はありません。

GUID-20221208-SS0I-XGG8-FBK1-6LRV9TTPMQX1-low.png図 2 追加の 2 段目のフィルタを使用した場合と使用しない場合の TPS56121 の出力電圧リップル。
GUID-20221208-SS0I-FDB2-8HNS-PJC5SSMDTS6R-low.png図 3 電圧モード制御を使用した TPS56121 の過渡応答。