JAJT318 March   2024 TPS25772-Q1

 

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Leanne Zhang

USB Type-C® は、ノート PC、タブレット、スマートフォンのための、より高速な新しい充電規格として広く知られていますが、電力供給およびコネクティビティ アプリケーションのますます広い領域で採用され続けています。USB Type-C の速度と効率は驚くべきものです。USB PD (USB パワー デリバリ) R3.1 仕様の進化により、1 つの USB Type-C コネクタで最大 240W (48V、5A) の電力をサポートできます。USB Std--A コネクタの 7.5W (5V、1.5A) からすると、これは大幅な改善です。

USB Type-C が採用されたのは偶然ではありません。欧州連合インド、ブラジル、韓国によって策定および施行された指令によって、これらのすべての国では、携帯型パーソナル エレクトロニクスは USB Type-C ポートを使って充電を行う必要があります。

USB Type-C と USB PD をサポートするコンシューマ デバイスが増えるにつれて、車載アプリケーションにおける USB Type-C と USB PD の必要性も高まっています。消費者は USB Type-C ケーブルを使用して、デバイスを高速充電し、GPS ディスプレイ、音楽プレーヤ、さらに映画でさえも、すべて車内で映したいと考えています。2025 年に製造が開始される自動車では、1 台の自動車あたりの USB Type-C ポート数は 2 ポートから 4 ポートに増加すると予測されています。自動車のヘッド ユニットフロント シート チャージャリア シート チャージャリア シート ディスプレイで、USB Type-C ポートをすでに目にしたことがあるかもしれません。

「普及した USB Type-C の利用可能性と多用途性から今や多くの人が恩恵を受けています。USB Type-C は、パーソナル デバイス以外のますます多様な技術との接続のための定番のソリューションになりつつあります」と USB インプリメンターズ フォーラム (USB-IF) 会長兼 COO の Jeff Ravencraft 氏は述べています。「好みの自動車との簡単な接続から、スマートフォンまたはその他のデバイスとのシームレスな接続において、USB Type-C は効率を高め、相互運用を可能にし、簡単な体験を提供することで、消費者がテクノロジーをどこでも簡単に利用できるようにします」。

車載分野で USB Type-C を利用しようとした場合、多くの検討課題があります。充電、データ通信、またはその両方の目的でデバイスと簡単に接続するには、ポートの利便性と柔軟性は特に重要です。ポートの数、近接度、性能はすべて、ソース電力ポリシー管理 (SPM) と呼ばれる機能によって管理されます。また SPM は、入力電圧、温度、複数のポートへの電力の割り当てを考慮しながら、各種条件で動作するようにポートの構成と機能を設定する機能を備えています (例として図 1 を参照)。

 複数のポートにわたる USB PD 電力共有図 1 複数のポートにわたる USB PD 電力共有

TPS25772-Q1 は、テキサス・インスツルメンツの USB PD コントローラ製品ファミリのデュアル ポート バリアントです。本デバイスは、第 1 のポートの電源として 1 つの昇降圧コンバータを内蔵しており、第 2 のポートの電圧および電流源として機能する外部昇降圧コンバータを制御するためのインターフェイスも備えています。TPS25772-Q1 上のすべての制御は、SPM を内蔵した 1 つの USB PD コントローラによって行われます。チャージャの構成および動作方法を指示するためにユーザーが制御できる多数のノブが備わっています。少数の質問に答え、または少数の抵抗値を変更するだけで、簡単にカスタム構成を設定できます。

サイズとコストも重要です。USB Type-C は、産業用製品のさらなる小型化を可能にするさらに薄型化されたコネクタ (わずか 2.4mm の高さ) を採用しています。このコネクタは車載 USB ボックスの小スペース要件にも適合します。これらのアプリケーションを非常に小さいフォーム ファクタに収容し、コスト効率を維持することは、車載設計において最優先されます (図 2 を参照)。

 充電用デュアル USB Type-C ポートの小さいフォーム ファクタ図 2 充電用デュアル USB Type-C ポートの小さいフォーム ファクタ

テキサス・インスツルメンツの USB PD コントローラは、パワー パス、昇降圧コンバータと完全に統合されています。このオールインワン チップ ソリューションは車載用 USB 製品の効率と電力密度の向上に貢献します。

車載用 USB-C ポートの実装は、電力供給だけでなくデータ コネクティビティの段階にも入りつつあります。自動車のキャビンのいたるところに配置されたすべてのポートが、同じように動作する必要があるとは限りません。車室全体で、一部のポートはより高いレベルの充電能力、データ転送、将来的には USB DisplayPort™ オルタネート モード (ディスプレイへの投射源) または USB4® (DisplayPort™ リビジョン 2.1 を直接トンネリング) に対応する可能性があります。

これらはすべて柔軟に構成されます。規制と市場の要求が強まるにつれて、要求に合わせて最もうまく機能するソリューションを設計者は求めています。テキサス・インスツルメンツは、斬新なハードウェア設計と機能統合を通じて、USB Type-C への参入の障壁を下げるお手伝いをいたします。