JAJT350 August 2024 LM2904 , LM2904B , OPA994
補償回路を追加する必要がない場合や追加することが不可能な場合のソリューションもあります。テキサス・インスツルメンツの OPA994 デバイス ファミリは、容量性負荷に対して安定する特殊な補償構造を採用しています。これを実現できるのは、出力に異なる容量性負荷が見られるとデバイスの帯域幅が変化するからです。帯域幅を出力インピーダンスと容量性負荷によって生じる極よりも常に低く保つことで、出力に配置するコンデンサに関係なく、アンプの安定性が維持されます。図 5 に、OPA994 のデータシートから引用した、外部補償抵抗を使用せずに、さまざまな値の負荷容量に対する位相マージンを示します。
設計に関するあらゆる決定には利点に加えてコストも伴い、OPA994 デバイス ファミリもこれに当てはまります。設計がより複雑になると、デバイスが大型化し、シンプルなデバイスよりコストが高くなる可能性があります。また、これは、0.64mm2 の超小型アウトライン リードなし (X2SON) パッケージなど、テキサス・インスツルメンツの最小パッケージにデバイスを収めることができないことを意味します。この設計は現在、バイポーラ アンプでのみ提供されているため、CMOS (相補型金属酸化膜半導体) の入力バイアス電流を小さくする必要がある場合、このデバイスの入力バイアス電流が過度に大きくなる可能性があります。
バイポーラ アンプには、CMOS デバイスよりも低ノイズ、高帯域幅、低静止電流など多くの利点があります。バイポーラと CMOS の完全なトレードオフは、回路ごとに計量できます [1]。全体として、OPA994 は多くの場合、安定性を目指すドロップイン ソリューションとして機能できます。