JAJU644A November 2018 – November 2022
この設計では、LM5155-Q1 を SEPIC 電圧レギュレータとして構成し、リニア LED ドライバに安定した電源を供給します。LM5155-Q1 電圧レギュレータのデフォルトの設計パラメータを、表 2-1 に示します。
設計パラメータ | 値 |
---|---|
出力電圧 | 12.5V |
出力電力 | 10W |
DC 入力電圧範囲 | 6V~18V |
スイッチング周波数 | 460kHz |
このリファレンス・デザインの SEPIC 構成における LM5155-Q1 のデフォルト回路図を、図 2-7 に示します。
回路図の主な部品は、『LM5155x-Q1 2.2MHz で広い入力電圧範囲の非同期昇圧 / SEPIC / フライバック・コントローラ』データシートのガイドラインに従って選択します。
入力コンデンサ C5、C6、C7、C8 は入力電圧リップルを平滑化し、低インピーダンスの電源を供給します。分圧抵抗 R4 および R10 は、目的のスタートアップおよびシャットダウン電圧レベルを設定します。このリファレンス・デザインでは、スタートアップ電圧は 6V、ヒステリシスは 2V なので、シャットダウン電圧は 4V です。抵抗 R17 とコンデンサ C18 を使用して、スイッチング周波数とソフトスタート時間を設定します。電圧レギュレータ・ループの補償のため、C19、R21、C20 は内部の相互コンダクタンス・エラー・アンプの出力である comp ピンに接続されています。抵抗 R14 および R18 は、出力電圧レベルを調整します。ゲート・ドライバに電力を供給する内部 VCC レギュレータでは、バイパス・コンデンサとして C13 が必要です。抵抗 R13 とコンデンサ C17 は、勾配補償を設定します。ローサイド N チャネル MOSFET Q1 の両端に抵抗とコンデンサのスナバ・ネットワーク (R2、C3) を、整流ダイオードの両端にも同様に (R1、C2) を接続すると、スイッチ・ノードのリンギングとスパイクが低減されます。これらの値の計算方法については、「パワー・ヒント:R-C スナバを計算する 7 つのステップ」を参照してください。
出力コンデンサ C9、C10、C11、C12 は、出力電圧のリップルを平滑化し、過渡負荷状況において充電の電源になります。さらに、負荷が突然切断されたときは、これらの出力コンデンサによって出力電圧のオーバーシュートが低減されます。SEPIC レギュレータでは、出力は不連続電流によって供給され、通常はリップル電流の要件が高いため、セラミック・コンデンサが最適です。出力電圧リップルは、出力コンデンサの ESR の影響を大きく受けます。出力コンデンサの並列化は、実効 ESR を最小化し、コンデンサへの出力リップル電流を分割するための適切な選択肢です。この例では、定格電圧 25V の 4.7μF セラミック・コンデンサを 4 つ使用しています。このリファレンス・デザインでは、出力電圧リップルが大きくなっても、SEPIC 出力電圧に接続されているリニア LED ドライバにとって問題にはなりません。
インダクタ L2 および L3 の値は 10μH で、飽和電流定格は最小入力電圧 6V において、予測される最大インダクタ電流 2A を上回ります。C4 の値は 2.2μF で、カップリング・コンデンサを形成し、D6 は SEPIC の整流ダイオードです。ローサイド・パワー・スイッチ Q1 は、PowerPAK® パッケージに封止された 60V 定格の N チャネル MOSFET です。R16 は、電流制限を設定するための電流検出抵抗です。