JAJU732E June 2019 – April 2024 TMS320F28P550SJ , TMS320F28P559SJ-Q1
ゲート ドライバ回路の電力損失には、UCC21530 での損失と、ゲート抵抗など周辺回路での損失が含まれます。電力損失の要因として、静的電力損失があります。これにはドライバの静止電力損失と、あるスイッチング周波数で動作しているドライバの自己消費電力が含まれます。Vcc ピンに流れ込む静止電流 (IVCCQ) と VDD ピンに流れ込む静止電流 (IVDDQ)の値は、データシートから抽出されます。
データシートの値を 式 29 に代入すると、ゲート ドライバの PQ 損失は、約 70mW になります 。ゲート ドライバ損失のもう 1 つの要素は、スイッチング動作損失です。これは、8 個のゲートドライバで合計 560mW になります。
式 32 に、VDD = 15V、VEE = –4V、FSW = 100kHz、QG = 53nC を代入すると、スイッチング損失は、1 次側 FET 1個あたり 0.2W になります。C3M0075120K (1 次側 MOSFET) のゲート電荷は、データシートから抽出されます。同様に、2 次側のスイッチング損失は、約 0.33W と計算されます。C3M0030090K MOSFET のゲート電荷 QGは 87nC であり、データシートから得られます。また、MOSFET のターンオンおよびターンオフ時に、ゲート抵抗でも損失が発生します。ターンオンおよびターンオフ ゲート抵抗は 2Ω です。これらの抵抗は、ゲートでの発振を減衰させるために選択されます。ゲート ドライバ IC は、スイッチングプロセス中に 10A のピーク電流をシンクおよびソースできます。スイッチング サイクル全体でこの電流パルスの平均値をとると、ゲート抵抗で発生するターンオン損失とターンオフ損失は 式 31 で得られれます。
この値は、1 次側の各スイッチで 18mW、2 次側の各スイッチで 30mW であり、合計で最大 192mW です。したがって、すべてのゲートドライバで発生する総損失は約 3W です。