JAJU732E June 2019 – April 2024 TMS320F28P550SJ , TMS320F28P559SJ-Q1
電源設計では、トランスとインダクタがサイズに大きく影響します。動作周波数を高くするとサイズは小さくなりますが、一定の値を超えてスイッチング周波数を高くすると、パワーモジュールの効率に影響を及ぼします。これは、その周波数で、電流が導体の表面を流れる表皮効果が非常に大きくなるためです。表皮効果と同様に、近接効果もあり、電流は互いに最も近い表面にのみ流れます。さらに、高周波設計における近接性の観点から、導体のサイズと層数を最適化する必要があります。平面トランスを使用する場合、より多くのインターリーブを実現し、近接効果を低減することができます。このインターリーブは、特定の量の漏れインダクタンスを生成するように調整できるので、電力伝送に役立ち、ZVS に寄与します。
平面トランスには、従来型トランスに比べて次のような利点があるので、このリファレンスデザインで採用しました。
漏れインダクタ単体では、軽負荷までのソフト スイッチングを実現することはできません。すでに説明したように、インダクタの値を大きくしてソフトスイッチング範囲を大きくすると、RMS 電流が大きくなります。実際には、漏れインダクタは、定格負荷の 1/2 または 1/3 までの負荷に対してソフト スイッチングを行うように選択します。ソフト スイッチング範囲を拡大するために、複数位相シフト制御を適用できます。一部のアプリケーションでは、低負荷でのハード スイッチングによるスイッチング損失の増加は許容されます。低負荷では導通損失が減少するためです。