JAJU751G September   2019  – October 2023

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   リソース
  4.   特長
  5.   アプリケーション
  6.   6
  7. 1システムの説明
    1. 1.1 主なシステム仕様
  8. 2システム概要
    1. 2.1 ブロック図
    2. 2.2 設計上の考慮事項
    3. 2.3 主な使用製品
      1. 2.3.1  LMG3422R050 — ドライバと保護機能を内蔵した 600V GaN
      2. 2.3.2  TMCS1100 — 高精度絶縁型電流センス・モニタ
      3. 2.3.3  UCC27524 — デュアル、5A、高速 2 次側パワー MOSFET ドライバ
      4. 2.3.4  UCC27714 — 620V、1.8A、2.8A 1 次側 / 2 次側ゲート・ドライバ
      5. 2.3.5  ISO7721 — 高速、堅牢な EMC 特性、強化絶縁型、基本デュアル・チャネル・デジタル・アイソレータ
      6. 2.3.6  ISO7740 および ISO7720 — 高速、低消費電力、堅牢な EMC デジタル・アイソレータ
      7. 2.3.7  OPA237 — 単一電源オペアンプ
      8. 2.3.8  INAx180 — 2 次側および 1 次側電圧出力、電流センス・アンプ
      9. 2.3.9  TPS560430 — SIMPLE SWITCHER 4V~36V、600mA、同期整流降圧コンバータ
      10. 2.3.10 TLV713 — ポータブル機器向けフォールドバック電流制限付き 150mA 低ドロップアウト (LDO) レギュレータ
      11. 2.3.11 TMP61 — 温度検出向けシリコン・ベース小型リニア・サーミスタ
      12. 2.3.12 CSD18510Q5B — 40V、N チャネル NexFET MOSFET、シングル SON5x6、0.96mΩ
      13. 2.3.13 UCC28911 — 定電圧、定電流、1 次側レギュレーション付き 700V フライバック・スイッチャ
      14. 2.3.14 SN74LVC1G3157DRYR — 単極双投アナログ・スイッチ
    4. 2.4 システム設計理論
      1. 2.4.1 トーテム・ポール PFC 段の設計
        1. 2.4.1.1 PFC 段の設計パラメータ
        2. 2.4.1.2 電流の計算
        3. 2.4.1.3 PFC 昇圧インダクタ
        4. 2.4.1.4 出力コンデンサ
        5. 2.4.1.5 高速および低速スイッチ
        6. 2.4.1.6 AC 電流検出回路
        7. 2.4.1.7 温度検出
      2. 2.4.2 LLC 段の設計パラメータ
        1. 2.4.2.1 LLC トランスの巻線比 N の決定
        2. 2.4.2.2 Mg_min と Mg_max の決定
        3. 2.4.2.3 共振ネットワークの等価負荷抵抗 (Re) の決定
        4. 2.4.2.4 Lm と Lr の比率 (Ln) と Qe の選択
        5. 2.4.2.5 1 次側電流の決定
        6. 2.4.2.6 2 次側電流の決定
        7. 2.4.2.7 1 次側 GaN / ドライバ
        8. 2.4.2.8 2 次側同期 MOSFET
        9. 2.4.2.9 出力電流検出
      3. 2.4.3 1 次側と 2 次側の間の通信
  9. 3ハードウェア、ソフトウェア、テスト要件、テスト結果
    1. 3.1 必要なハードウェアとソフトウェア
      1. 3.1.1 ハードウェア
        1. 3.1.1.1 テスト条件
        2. 3.1.1.2 ボードの検証に必要なテスト機器
        3. 3.1.1.3 テスト方法
          1. 3.1.1.3.1 システム・テスト:デュアル段
          2. 3.1.1.3.2 PFC 段テスト
          3. 3.1.1.3.3 LLC 段テスト
      2. 3.1.2 PFC 段ソフトウェア
        1. 3.1.2.1 CCS でのプロジェクトの開始
        2. 3.1.2.2 プロジェクト構造
        3. 3.1.2.3 C2000 MCU の CLA を使用して CPU の負荷を軽減
        4. 3.1.2.4 CPU 使用率とメモリ割り当て
        5. 3.1.2.5 プロジェクトの実行
          1. 3.1.2.5.1 ラボ 1:開ループ、DC (PFC モード)
            1. 3.1.2.5.1.1 ラボ 1 のソフトウェア・オプションの設定
            2. 3.1.2.5.1.2 プロジェクトのビルドおよびロード
            3. 3.1.2.5.1.3 デバッグ環境設定ウィンドウ
            4. 3.1.2.5.1.4 リアルタイム・エミュレーションの使用
            5. 3.1.2.5.1.5 コードの実行
          2. 3.1.2.5.2 ラボ 2:閉電流ループ DC
            1. 3.1.2.5.2.1 ラボ 2 のソフトウェア・オプションの設定
            2. 3.1.2.5.2.2 プロジェクトのビルドおよびロードとデバッグのセットアップ
            3. 3.1.2.5.2.3 コードの実行
          3. 3.1.2.5.3 ラボ 3:閉電流ループ、AC (PFC)
            1. 3.1.2.5.3.1 ラボ 3 のソフトウェア・オプションの設定
            2. 3.1.2.5.3.2 プロジェクトのビルドおよびロードとデバッグのセットアップ
            3. 3.1.2.5.3.3 コードの実行
          4. 3.1.2.5.4 ラボ 4:閉電圧および電流ループ (PFC)
            1. 3.1.2.5.4.1 ラボ 4 のソフトウェア・オプションの設定
            2. 3.1.2.5.4.2 プロジェクトのビルドおよびロードとデバッグのセットアップ
            3. 3.1.2.5.4.3 コードの実行
      3. 3.1.3 LLC 段ソフトウェア
        1. 3.1.3.1 CCS でのプロジェクトの開始
        2. 3.1.3.2 プロジェクト構造
        3. 3.1.3.3 ソフトウェアの流れ図
        4. 3.1.3.4 CPU 使用率とメモリ割り当て
        5. 3.1.3.5 プロジェクトの実行
          1. 3.1.3.5.1 ラボ 1:開ループ制御
            1. 3.1.3.5.1.1 ソフトウェア設定
            2. 3.1.3.5.1.2 プロジェクトのビルドとロード
            3. 3.1.3.5.1.3 デバッグ環境ウィンドウ
            4. 3.1.3.5.1.4 コードの実行
          2. 3.1.3.5.2 ラボ 2:SFRA による閉ループ制御
            1. 3.1.3.5.2.1 ソフトウェア設定
            2. 3.1.3.5.2.2 プロジェクトのビルドとロード
            3. 3.1.3.5.2.3 デバッグ環境ウィンドウ
            4. 3.1.3.5.2.4 コードの実行
      4. 3.1.4 PFC + LLC 段のデュアル・テスト
        1. 3.1.4.1 ハードウェア設定
        2. 3.1.4.2 システム・テスト手順
        3. 3.1.4.3 TIDA-010062 の FSI ソフトウェア
      5. 3.1.5 ライブ・ファームウェア・アップデートの概要
        1. 3.1.5.1 ライブ・ファームウェア・アップデートの説明
        2. 3.1.5.2 ソフトウェアの構造
        3. 3.1.5.3 LLC 段ソフトウェアの LFU
          1. 3.1.5.3.1 CCS でのプロジェクトの開始
        4. 3.1.5.4 CCS を使用したカスタム・ブートローダとアプリケーションのフラッシュへのロード
        5. 3.1.5.5 CLA で制御ループを実行した状態での LFU デモの実行とテスト結果
    2. 3.2 テストと結果
      1. 3.2.1 性能、データ、および曲線
        1. 3.2.1.1 PFC 段の効率、iTHD、PF
        2. 3.2.1.2 LLC 段の効率
        3. 3.2.1.3 システム全体の効率
      2. 3.2.2 機能波形
        1. 3.2.2.1 起動
        2. 3.2.2.2 ホール・センサ
        3. 3.2.2.3 PFC の動作波形
        4. 3.2.2.4 LLC の動作波形
  10. 4設計ファイル
    1. 4.1 回路図
    2. 4.2 部品表 (BOM)
    3. 4.3 PCB レイアウトに関する推奨事項
      1. 4.3.1 電力段に関するガイドライン
      2. 4.3.2 ゲート・ドライバ固有のガイドライン
      3. 4.3.3 レイアウトのプリント
    4. 4.4 Altium プロジェクト
    5. 4.5 ガーバー・ファイル
    6. 4.6 組立図面
  11. 5ソフトウェア・ファイル
  12. 6関連資料
    1. 6.1 商標
  13. 7著者について
  14. 8改訂履歴
  15.   132

CLA で制御ループを実行した状態での LFU デモの実行とテスト結果

デバイスの両方のフラッシュ・バンクにカスタム・ブートローダとアプリケーション・イメージがプログラムされた状態で、LFU デモはスタンドアロン・モードで実行できるようになりました。

スイッチオーバーが成功したことは、デバイス上のさまざまな信号、レジスタ、LED で確認できます。

WARNING: オシロスコープを使用して、PWM ゲート駆動信号、入力電圧、電流と出力電圧などのさまざまな波形をプローブし、新しいファームウェアが実行されていることを確認してください。この絶縁型 DC/DC コンバータでこれらの高電圧および高電流をプローブする際には、適切な安全対策と接地要件に従ってください。

ボードに電源を供給します。この時点で、LED2 (GPIO34 – D2) が消灯し、LED1 (GPIO31 – D1) が点灯していることを確認してください。これは、Bank0 アプリケーションが実行中のアクティブなアプリケーションであることを示しています。両方の LED (D1 と D2) が点灯している場合、Bank1 がアクティブなアプリケーションです。PWM ゲート駆動信号がオシロスコープに表示されていないことを確認してください。これは、ソフトウェアが Microsoft® Windows® PC からの SCI オートボー・ロック・コマンドを待機しているためです。

SCI オートボー・ロックを有効にするには、Microsoft Windows のコマンド・プロンプトからコマンドを実行します。このコマンドは、以前にブートローダとアプリケーションをプログラムする際に入力したコマンドと似ています。コマンドの例は以下のとおりです。

  • serial_flash_programmer_appln.exe -d f28003x -k f28003x_fw_upgrade_example\flash_kernel_ex3_sci_flash_kernel_bank0.txt -a f28003x_fw_upgrade_example\llc_f28003x_BANK1FLASH.txt -b 9600 -p COM5

GUID-20230801-SS0I-VVBR-D3F3-QZDDBR6V89P7-low.png

図 3-38 LFU 操作前と後のスイッチング周波数の変化

ここで、controlCARD の LED1 が点滅していることを確認します。これによって、LLC_main.c のバックグラウンド・タスク B1 で LLC_HAL_toggleLED () 関数が実行されていることが確認できます。LED2 は、BANK0 にアクティブなアプリケーションがある場合は消灯し、BANK1 にアクティブなアプリケーションがある場合は点灯します。

コマンド・プロンプト・ウィンドウには、前に示したのと同じフラッシュ・プログラミング・オプションが表示されます。これで、デバイスはもう一方のフラッシュ・バンクに切り替えることができます。もう一方のバンクに実行を切り替えるには、「8 – Live DFU」と入力します。これによって、新しいファームウェアが非アクティブなバンクにプログラムされます。完了したら、「0 – Done」と入力してプロセスを完了します。フラッシュへのダウンロード中は、バックグラウンド・タスクが停止されるために LED1 の点滅は停止します。

デバイスに新しいイメージがプログラムされると、LED2 と LED1 が点灯から消灯 (Bank1 -> Bank0)、または消灯から点灯 (Bank0 -> Bank1) に切り替わります。これによって、新しいイメージが実行されていることが分かります。

PWM 信号の波形が新しい目標スイッチング周波数 (200kHz) に更新され、緑色 (M1) で示されます。図 3-38 を参照してください。

もう一つの確認方法は、DF22 コントローラの新しい係数をプログラムすることです。LFU の前に Bank0 アプリケーションのシンボルを CCS にロードし、LLC_ctrl_DF22 構造体の内容を観れば確認できます。具体的には、対象となる制御ループ・パラメータ b0、b1、b2 を観察してください。LFU が完了したら、Bank1 アプリケーションのシンボルを CCS にロードすることができ、対象となるパラメータを観察して、新しいイメージのスイッチオーバーと実行、適切な設定を確認できます。図 3-39 に、LFU の前後の係数値を示します。


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図 3-39 Bank0 と Bank1 の異なるイメージ間での制御ループ・パラメータの変化
注: テストの目的で、Bank0 の係数は、Bank1 の係数の約半分の値に設定されています。これは、調整が不十分な補償器 (BANK0) と微調整された補償器 (BANK1) の影響を示すためです。より信頼性の高いテストを行うために、設計者は過渡応答分析を実行し、新しいイメージがロードされ、スイッチオーバーされる際の影響や変化をリアルタイムで監視することができます。