JAJU768A November 2019 – July 2020
ECall アプリケーションでは、メイン・バッテリの電圧が高いとき、ECall 内のすべての関連回路は、降圧コンバータを経由してメイン・バッテリから電力を供給されます。メイン・バッテリ電圧が低いレベルに低下すると、降圧コンバータがブラウンアウトし、バックアップ・バッテリが動作を開始して、昇圧コンバータ経由で機器に電力を供給します。従来型の ECall ブロック図を、図 1-1 に示します。高電圧降圧コンバータのほかに、2 つの昇圧コンバータと 1 つのチャージャが使用されており、2 つの昇圧コンバータによって冗長性があり、効率が低下します。
TIDA-050031 は、図 1 に示す従来型の ECall ブロック図の冗長性を回避するとともに、コストとサイズが考慮されています。このリファレンス・デザインは、車載用 ECall アプリケーション向けに、シンプルで低コストのバックアップ電源回路を実現します。構造は非常にシンプルです。この回路では、1 つの昇圧コンバータのみを使用します。昇圧コンバータ TPS61088-Q1 は、2V の入力電圧で高効率の 8V/1.6A を出力できます。このため、バックアップ・バッテリの電圧が 2V まで低下しても問題ありません。バックアップ・バッテリの寿命が延長されるとともに、TIDA-050031 は柔軟性が高く、冗長性も低くなっています。