JAJU840A April   2022  – April 2024

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   参照情報
  4.   特長
  5.   アプリケーション
  6.   6
  7. 1システムの説明
  8. 2システム概要
    1. 2.1 ブロック図
    2. 2.2 設計の考慮事項
      1. 2.2.1 誘導性タッチ ボタン
      2. 2.2.2 センサ コイルの配置
      3. 2.2.3 複数の LDC からのデータ収集
      4. 2.2.4 磁気ダイヤルの実装
      5. 2.2.5 CORDIC アルゴリズム
    3. 2.3 主な使用製品
      1. 2.3.1 LDC3114-Q1
      2. 2.3.2 TMAG5273
      3. 2.3.3 DRV2605
      4. 2.3.4 TLV75518
      5. 2.3.5 TCA9534
      6. 2.3.6 PCA9543
      7. 2.3.7 センサ制御ボード
  9. 3ハードウェア、ソフトウェア、テスト要件、テスト結果
    1. 3.1 ファームウェアとプログラミング
      1. 3.1.1 動作モード 1
      2. 3.1.2 動作モード 2
      3. 3.1.3 動作モード 3
    2. 3.2 テスト設定
    3. 3.3 テスト結果
      1. 3.3.1 ABS の力応答
      2. 3.3.2 絶対ゲイン補正
      3. 3.3.3 ナイロンの力応答
      4. 3.3.4 ナイロンのゲイン補正
  10. 4ハードウェア コンポーネント
  11. 5設計とドキュメントのサポート
    1. 5.1 デザイン ファイル
      1. 5.1.1 回路図
      2. 5.1.2 BOM (部品表)
    2. 5.2 ツールとソフトウェア
    3. 5.3 ドキュメントのサポート
    4. 5.4 サポート・リソース
    5. 5.5 商標
  12. 6改訂履歴

システムの説明

ヒューマン マシン インターフェイスは多くのアプリケーションに共通に見られるもので、通常はボタンやダイヤルを実装するための電気機械部品を必要とします。多くのプッシュ ボタンは機械式スイッチを使用しており、ボタンを押して接続する電気的接点を持っています。この接点は、時間が経つと磨耗や破損により故障する恐れがあります。このようなスイッチを採用したボタンを実装すると、産業用や車載アプリケーションのような、より過酷な環境で動作する用途では、ボタン表面を密閉する必要も生じます。そうしないと、機械式ボタン内にほこりや泥が入り込む可能性があり、製品の寿命がさらに短くなる恐れがあるのです。

ダイヤルのような他の HMI 部品も、磨耗や破損に悩まされています。ダイヤルは従来、エンコーダまたはポテンショメータを使用して、入力の回転変化を判定していました。これらの部品には機械的部品があり、プッシュ ボタンと同様に時間の経過とともに故障する恐れがあります。

このリファレンス デザインでは、誘導性センシングを使用してシームレスなタッチ ボタンを実装し、非接触実装を実現すると同時に、可変フォース タッチ機能も実現しています。さらに、ホール効果センシングを使用して非接触型ダイヤルを実装し、ポテンショメータやロータリー エンコーダなどのデバイスで発生する磨耗や破損を低減します。このデザインには、ボタン表面や回転式のプッシュ ボタン ダイヤルを実現する 3D プリントのハウジングが含まれています。

ボタンやダイヤルは、多くのヒューマン マシン インターフェイスに共通する部品であるため、これらのテクノロジーはさまざまなアプリケーションで使用できます。車載アプリケーションの場合、誘導性タッチ ボタンを使用すると、手袋を着用した状態でも接触する力に応答するボタンを実現できます。さらに、さまざまな面にボタンを配置できるので、設計全体のフレキシビリティが向上します。これらのメリットは、産業用 HMI や家電製品などへの実装でも同じように当てはまります。