JAJU884J October 2014 – June 2024 DLPC900
DLPC900 の表示は、DMD のロード方法と LED への PWM の制御を決定する複数のパラメータで構成されています。DLPC900 は 4 つの主要な表示モードをサポートしています。
表示モード選択コマンド (セクション 2.4.1) でこれらのモードを選択します。
ビデオ モードでは、DLPC900 の 30 ビット RGB インターフェイスは、接続された DMD のネイティブ解像度までサポートできます。DLPC900 はデジタル入力画像を処理し、そのデータを適切な形式に変換します。
DLPC900 は、各種解像度の画像をシングル コントローラ DMD に適切に表示するためのスケーリングおよびクロッピング機能を備えています。
DLPC900 とデュアル コントローラ DMD との組み合わせでは、スケーリング機能もクロッピング機能もサポートされません。
後者の 3 つのモードでは、DLPC900 は高速なパターン レートを使います。これらのモードは、DLPC900 の RGB インターフェイスを介して (ビデオ パターン モード)、フラッシュ メモリから (保存済みパターン モード)、動的ロードによって (パターン オン ザ フライ モード) のいずれかで、24 ビット データ入力のみに対応します。これらのモードは、構造化光、付加製造、デジタル露光などの手法に適しています。DLPC900 は、一連のパターンを表示し、それらのパターンが表示された際にキャプチャする信号をカメラに送る機能も備えています。
DLPC900 シングル コントローラ DMD のブロック図を図 2-4 に、DLPC900 デュアル コントローラ DMD のブロック図を図 2-5 に、それぞれ示します。4 つの表示モードの主要な機能ブロックがこれらの図に示されています。
ビデオ モードでは、DLPC900 は、1 フレーム内で入力データを受け取り適切に割り当てるという、フレーム単位方式で動作します。たとえば、24 ビット RGB 入力画像は、各色 (赤、緑、青) をフレームの特定の割合に分割することで、60Hz のフレームに割り当てられます。したがって、赤が 40%、緑が 45%、青が 15% の場合、赤、緑、青にそれぞれ 6.67ms、7.5ms、2.54ms のタイム スロットが割り当てられます。各色は 8 ビットの深度を持っているため、各色のタイム スロットはさらにビット プレーンに分割されます (図 2-6 を参照)。ビット プレーンは、フル カラー 2D 画像のすべてのピクセルから抽出された 1 ビットの 2 次元配列です。
タイム スロット内の各ビット プレーンの長さは、そのバイナリ表現に対応する 2 のべき乗で重み付けされ、その結果、画像のバイナリ パルス幅変調が得られます。たとえば、24 ビット RGB 入力は、それぞれ 8 ビット深度の 3 色から成ります。各色のタイム スロットは 8 つのビット プレーンに分割され、タイム スロット内のすべてのビット プレーンの重みの合計は 255 です。図 2-7 に、この 1 フレーム内のビット区分を図示します。
したがって、1 つのビデオ フレームは、一連のビット プレーンで構成されます。DMD ミラーはオンにもオフにもできるため、ビット プレーン内のセットされたビットに対応するミラーをオンにすることで、画像が生成されます。バイナリ パルス幅変調では、ミラーがオンになっている時間の長さを制御することで、その色の強度レベルが再現されます。24 ビット RGB フレーム画像が DLPC900 コントローラに入力された場合、DLPC900 コントローラは 24 ビット プレーンを作成し、内蔵 DRAM に格納し、一度に 1 つずつそれらのビット プレーンを DMD に送信します。ビット重みはビット プレーンの照度を制御します (ビット重みが小さいほど、ビット プレーンの照度は下がります)。ビデオ フレームの画質を向上させるため、これらのビット プレーン、タイム スロット、色フレームは DLPC900 コントローラのピクセル処理機能内でシャッフルおよびインターリーブされます。
DMD マイクロミラーとの 1:1 ピクセル対応が求められるその他のアプリケーションでは、スケーリング、クロッピング、ピクセル処理機能は無効化され、一連の特殊なパターンが使われます。パターンのビット深度は、対応する 2 値重み付けされたタイム スロットに割り当てられます。さらに、画像が表示されるタイミングを示すため、出力トリガ信号もこれらのタイム スロットと同期します。構造化光アプリケーションでは、この機構を使うことで、対象物の上に一連のパターンを表示し、その対象物とこれらのパターンを重ね合わせて撮影するようにカメラに信号を送ることができます。