JAJU884J October   2014  – June 2024 DLPC900

 

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  2.   はじめにお読みください
    1.     このマニュアルについて
    2.     テキサス・インスツルメンツの関連資料
    3.     サポートが必要な場合
    4.     商標
  3. 1インターフェイス プロトコル
    1. 1.1 I2C インターフェイス
      1. 1.1.1 I2C トランザクションの構造
        1. 1.1.1.1 I2C START 条件
        2. 1.1.1.2 I2C STOP 条件
        3. 1.1.1.3 DLPC900 の I2C セカンダリ コントローラのアドレス 
        4. 1.1.1.4 DLPC900 の I2C サブアドレスとデータ バイト
      2. 1.1.2 I2C 読み出しコマンド シーケンスの例
        1. 1.1.2.1 パラメータ付き I2C 読み出しコマンドの例
      3. 1.1.3 I2C 書き込みコマンド シーケンスの例
    2. 1.2 USB インターフェイス
      1. 1.2.1 USB トランザクション シーケンス
      2. 1.2.2 USB 読み出しトランザクション シーケンスの例
      3. 1.2.3 USB 書き込みトランザクション シーケンスの例
    3. 1.3 INIT_DONE 信号
  4. 2DLPC900 の制御コマンド
    1. 2.1 DLPC900 のステータス コマンド
      1. 2.1.1 ハードウェア ステータス
      2. 2.1.2 システム ステータス
      3. 2.1.3 メイン ステータス
      4. 2.1.4 ファームウェア バージョンの取得
      5. 2.1.5 ハードウェア構成とファームウェア タグ情報の読み出し
      6. 2.1.6 エラー コード読み出し
      7. 2.1.7 読み出しエラーの説明
    2. 2.2 DLPC900 のファームウェア プログラミング コマンド
      1. 2.2.1  読み出しステータス
      2. 2.2.2  プログラム モードの開始
      3. 2.2.3  プログラム モードの終了
      4. 2.2.4  読み出し制御
      5. 2.2.5  開始アドレス
      6. 2.2.6  セクタの消去
      7. 2.2.7  フラッシュ データ ダウンロードのサイズ
      8. 2.2.8  データのダウンロード
      9. 2.2.9  チェックサムの計算
      10. 2.2.10 コントローラ イネーブル / ディスエーブル コマンド
    3. 2.3 チップセット制御コマンド
      1. 2.3.1  チップセット構成コマンド
        1. 2.3.1.1 電力モード
        2. 2.3.1.2 DMD のスタンバイおよびアイドル モード
        3. 2.3.1.3 DMD パーク / アンパーク (推奨していません)
        4. 2.3.1.4 カーテン色
      2. 2.3.2  パラレル インターフェイス構成
        1. 2.3.2.1 パラレル ポート構成
        2. 2.3.2.2 入力データ チャネルの交換
      3. 2.3.3  入力ソース コマンド
        1. 2.3.3.1 ポートとクロックの構成
        2. 2.3.3.2 入力ソースの構成
        3. 2.3.3.3 入力ピクセル データの形式
        4. 2.3.3.4 内部テスト パターンの選択
        5. 2.3.3.5 内部テスト パターンの色
        6. 2.3.3.6 画像のロード
      4. 2.3.4  画像反転
        1. 2.3.4.1 長軸画像反転
        2. 2.3.4.2 短軸画像反転
      5. 2.3.5  IT6535 電力モード
      6. 2.3.6  ガンマ設定およびイネーブル
      7. 2.3.7  LED ドライバ コマンド
        1. 2.3.7.1 LED イネーブル出力
          1. 2.3.7.1.1 LED PWM 極性
        2. 2.3.7.2 LED ドライバ電流
        3. 2.3.7.3 最小 LED パルス幅 (µs)
        4. 2.3.7.4 最小 LED パルス幅 (ns)
        5. 2.3.7.5 最小 LED パターン露出時間 (単位:マイクロ秒) の取得
        6. 2.3.7.6 最小 LED パターン露出時間 (単位:ns) の取得
      8. 2.3.8  GPIO コマンド
        1. 2.3.8.1 GPIO の構成
        2. 2.3.8.2 GPIO クロックの構成
        3. 2.3.8.3 GPIO ビジー
      9. 2.3.9  パルス幅変調 (PWM) 制御
        1. 2.3.9.1 PWM 設定
        2. 2.3.9.2 PWM イネーブル
      10. 2.3.10 バッチ・ファイル コマンド
        1. 2.3.10.1 バッチ ファイル名
        2. 2.3.10.2 バッチ ファイルの実行
        3. 2.3.10.3 バッチ ファイルの遅延
        4. 2.3.10.4 バッチ・ファイルの例
    4. 2.4 表示モード コマンド
      1. 2.4.1 表示モードの選択
        1. 2.4.1.1 ビデオ モードの解像度
        2. 2.4.1.2 入力表示解像度
        3. 2.4.1.3 DMD ブロック ロード
        4. 2.4.1.4 最小露出時間
      2. 2.4.2 画像ヘッダー
      3. 2.4.3 パターン画像の圧縮
        1. 2.4.3.1 ランレングス エンコーディング
          1. 2.4.3.1.1 RLE 圧縮の例
        2. 2.4.3.2 拡張ランレングス エンコーディング
          1. 2.4.3.2.1 拡張 RLE 圧縮の例
          2. 2.4.3.2.2 画像のパディングの終了
      4. 2.4.4 パターン表示コマンド
        1. 2.4.4.1 トリガ コマンド
          1. 2.4.4.1.1 トリガ出力 1
          2. 2.4.4.1.2 トリガ出力 2
          3. 2.4.4.1.3 トリガ入力 1
          4. 2.4.4.1.4 トリガ入力 2
        2. 2.4.4.2 LED イネーブル遅延コマンド
          1. 2.4.4.2.1 赤色 LED のイネーブル遅延
          2. 2.4.4.2.2 緑色 LED イネーブル遅延
          3. 2.4.4.2.3 青色 LED イネーブル遅延
        3. 2.4.4.3 パターン表示コマンド
          1. 2.4.4.3.1 パターン表示の開始 / 停止
          2. 2.4.4.3.2 パターン表示反転データ
          3. 2.4.4.3.3 パターン表示 LUT 構成
          4. 2.4.4.3.4 パターン表示 LUT リオーダ構成
          5. 2.4.4.3.5 パターン表示 LUT の定義
        4. 2.4.4.4 パターン オン ザ フライ コマンド
          1. 2.4.4.4.1 パターン BMP ロード初期化
          2. 2.4.4.4.2 パターン BMP ロード
        5. 2.4.4.5 I2C パススルー コマンド
          1. 2.4.4.5.1 I2C パススルーの構成
          2. 2.4.4.5.2 I2C パススルー書き込み
          3. 2.4.4.5.3 I2C パススルー読み出し
    5. 2.5 デバッグ モード コマンド
      1. 2.5.1 宛先コントローラのコマンド (デュアル コントローラ システム)
      2. 2.5.2 メモリの読み取り / 書き込みコマンド
        1. 2.5.2.1 有効なメモリ アドレス範囲
      3. 2.5.3 デバッグ マスク コマンド
  5. 3DLPC900 のフォルト ステータス
    1. 3.1 DLPC900 の FAULT_STATUS の位置
    2. 3.2 DLPC900 の FAULT_STATUS の説明
  6. 4パワーアップおよびパワーダウンと初期化に関する考慮事項
    1. 4.1 起動
    2. 4.2 パワーダウン
    3. 4.3 パワーアップ自動初期化
  7. 5コマンドの例
    1. 5.1 ビデオ パターン モードの例
    2. 5.2 保存済みパターン モードの例
    3. 5.3 パターン オン ザ フライの例
    4. 5.4 I2C パススルー書き込みの例
    5. 5.5 I2C パススルー読み出しの例
  8.   A レジスタ・クイック・リファレンス
    1.     A.1 I2C レジスタ クイック リファレンス
    2.     A.2 コマンドのガイド
  9.   B バッチ ファイル コマンド記述子
    1.     B.1 コマンド記述子
  10.   C 改訂履歴

表示モード コマンド

DLPC900 の表示は、DMD のロード方法と LED への PWM の制御を決定する複数のパラメータで構成されています。DLPC900 は 4 つの主要な表示モードをサポートしています。

  • ビデオ・モード
  • ビデオ・パターン・モード
  • 保存済みパターン モード
  • パターン オン ザ フライ モード

表示モード選択コマンド (セクション 2.4.1) でこれらのモードを選択します。

ビデオ モードでは、DLPC900 の 30 ビット RGB インターフェイスは、接続された DMD のネイティブ解像度までサポートできます。DLPC900 はデジタル入力画像を処理し、そのデータを適切な形式に変換します。

DLPC900 は、各種解像度の画像をシングル コントローラ DMD に適切に表示するためのスケーリングおよびクロッピング機能を備えています。

DLPC900 とデュアル コントローラ DMD との組み合わせでは、スケーリング機能もクロッピング機能もサポートされません。

後者の 3 つのモードでは、DLPC900 は高速なパターン レートを使います。これらのモードは、DLPC900 の RGB インターフェイスを介して (ビデオ パターン モード)、フラッシュ メモリから (保存済みパターン モード)、動的ロードによって (パターン オン ザ フライ モード) のいずれかで、24 ビット データ入力のみに対応します。これらのモードは、構造化光、付加製造、デジタル露光などの手法に適しています。DLPC900 は、一連のパターンを表示し、それらのパターンが表示された際にキャプチャする信号をカメラに送る機能も備えています。

DLPC900 シングル コントローラ DMD のブロック図を図 2-4 に、DLPC900 デュアル コントローラ DMD のブロック図を図 2-5 に、それぞれ示します。4 つの表示モードの主要な機能ブロックがこれらの図に示されています。

注: これらの図の中のテキサス・インスツルメンツ部品の現在の型番については、最新の DLPLCRC900EVM シングル DLPC900 設計ファイルDLPLCRC900DEVM デュアル DLPC900 設計ファイルを参照してください。

DLPC900 DLPC900 シングル コントローラ システムのブロック図図 2-4 DLPC900 シングル コントローラ システムのブロック図
DLPC900 DLPC900 デュアル コントローラ システムのブロック図図 2-5 DLPC900 デュアル コントローラ システムのブロック図

ビデオ モードでは、DLPC900 は、1 フレーム内で入力データを受け取り適切に割り当てるという、フレーム単位方式で動作します。たとえば、24 ビット RGB 入力画像は、各色 (赤、緑、青) をフレームの特定の割合に分割することで、60Hz のフレームに割り当てられます。したがって、赤が 40%、緑が 45%、青が 15% の場合、赤、緑、青にそれぞれ 6.67ms、7.5ms、2.54ms のタイム スロットが割り当てられます。各色は 8 ビットの深度を持っているため、各色のタイム スロットはさらにビット プレーンに分割されます (図 2-6 を参照)。ビット プレーンは、フル カラー 2D 画像のすべてのピクセルから抽出された 1 ビットの 2 次元配列です。

DLPC900 24 ビット RGB 画像のビット プレーン図 2-6 24 ビット RGB 画像のビット プレーン

タイム スロット内の各ビット プレーンの長さは、そのバイナリ表現に対応する 2 のべき乗で重み付けされ、その結果、画像のバイナリ パルス幅変調が得られます。たとえば、24 ビット RGB 入力は、それぞれ 8 ビット深度の 3 色から成ります。各色のタイム スロットは 8 つのビット プレーンに分割され、タイム スロット内のすべてのビット プレーンの重みの合計は 255 です。図 2-7 に、この 1 フレーム内のビット区分を図示します。

DLPC900 8 ビット モノクロ画像の 1 フレーム内の ビット区分図 2-7 8 ビット モノクロ画像の 1 フレーム内の ビット区分

したがって、1 つのビデオ フレームは、一連のビット プレーンで構成されます。DMD ミラーはオンにもオフにもできるため、ビット プレーン内のセットされたビットに対応するミラーをオンにすることで、画像が生成されます。バイナリ パルス幅変調では、ミラーがオンになっている時間の長さを制御することで、その色の強度レベルが再現されます。24 ビット RGB フレーム画像が DLPC900 コントローラに入力された場合、DLPC900 コントローラは 24 ビット プレーンを作成し、内蔵 DRAM に格納し、一度に 1 つずつそれらのビット プレーンを DMD に送信します。ビット重みはビット プレーンの照度を制御します (ビット重みが小さいほど、ビット プレーンの照度は下がります)。ビデオ フレームの画質を向上させるため、これらのビット プレーン、タイム スロット、色フレームは DLPC900 コントローラのピクセル処理機能内でシャッフルおよびインターリーブされます。

DMD マイクロミラーとの 1:1 ピクセル対応が求められるその他のアプリケーションでは、スケーリング、クロッピング、ピクセル処理機能は無効化され、一連の特殊なパターンが使われます。パターンのビット深度は、対応する 2 値重み付けされたタイム スロットに割り当てられます。さらに、画像が表示されるタイミングを示すため、出力トリガ信号もこれらのタイム スロットと同期します。構造化光アプリケーションでは、この機構を使うことで、対象物の上に一連のパターンを表示し、その対象物とこれらのパターンを重ね合わせて撮影するようにカメラに信号を送ることができます。