JAJU896 June 2023 ADS131M08 , MSPM0G1507
フォアグラウンド・プロセスには、デバイスを RESET した直後に MSPM0+ MCU のハードウェアとソフトウェア、および ADS131M08 のレジスタの初期設定が含まれます。このプロセスのフローチャートを、図 3-2 に示します。
初期化ルーチンには、MSPM0G3507 のセットアップが含まれています。
ハードウェアのセットアップ後、GUI から受信したフレームがすべて処理されます。PC の GUI との通信用に RS-485 を選択した場合、THVD1400 デバイスは、PC の GUI からパケットを受信して、応答を GUI に返信できるよう、適切な時点で RE および DE ピンを駆動し、レシーバとドライバをイネーブルする必要があります。MSPM0+ MCU から PC GUI にパケットが送信された後で、フォアグラウンド・プロセスはパケットが MSPM0+ MCU から完全に送出された後、かつ GUI が次のパケットを送出する前に、RE および DE ピンをアサートします。
その後で、フォアグラウンド・プロセスは、バックグラウンド・プロセスからフォアグラウンド・プロセスに、電圧と電流のマッピングについて新しい計量パラメータを計算するようにという通知があったかどうかをチェックします。この通知は、処理可能なデータのフレームがあるときに「PHASE_STATUS_NEW_LOG」ステータス・フラグがアサートされることで行われます。データ・フレームは、バックグラウンド・プロセスで約 1 秒間累積された、処理済みのドット積で構成されます。これは、受信する電圧信号と同期して 50 または 60 サイクルのデータを累積することに相当します。さらにサンプル・カウンタは、このフレーム期間にわたって累積されるサンプルの数を追跡します。この数は、ソフトウェアが受信する商用電源周波数と同期することで変化する可能性があります。
処理されるドット製品には、VRMS、IRMS、有効電力、無効電力が含まれます。これらのドット積は、現実の単位で対応する計測値を計算するため、フォアグラウンド・プロセスで使用されます。処理済みの電圧ドット積、電流ドット積、有効エネルギーのドット積、無効エネルギーのドット積は別の 64 ビット・レジスタに累積され、以後の処理で RMS と平均値が得られます。フォアグラウンド・プロセスの有効電力と無効電力の計算値を使用して、皮相電力が計算されます。周波数 (Hz 単位) と力率も、セクション 3.8.1 の式を使用してバックグラウンド・プロセスで計算されたパラメータを使用して計算されます。
3 相構成では、3 つの電圧から電流へのマッピングが存在し、それぞれの電圧から電流へのマッピングには、異なる電圧および電流チャネルがあります。特に、ライン A のラインから中性線への電圧の測定と、ライン A の電流の測定は、1 つのマッピングについて互いに関連付けられ、ライン B のラインから中性線への電圧の測定と、ライン B の電流の測定も、別のマッピングについて互いに関連付けられます。ライン C についても同様です。簡略化のため、このドキュメントの以後の部分、およびPC の GUI では、それぞれの電圧から電流へのマッピングが位相と呼ばれています。
フォアグラウンド・プロセスでも LCD が更新されます。LCD の表示項目は 2 秒ごとに変更されます。LCD に表示される各項目の詳細については、セクション 4.2.4.1 を参照してください。