JAJU912 November 2023
Tektronix PA4000 電力アナライザを使って、27℃のラボ温度で効率テストを行いました。図 4-4 に示すように、TIDA-010255 PCB にヒートシンクを付けず (自然対流のみ)、ワークベンチに水平に配置しました。F28379D MCU ソフトウェアは、設定可能な振幅と 1Hz の周波数で 3 相 AC 電圧を生成するように構成しました。PWM キャリア周波数は 16kHz と 8kHz のどちらかに設定しました。
以下の図は、定常状態における TIDA-010255 PCB (ヒートシンクなし) の電力損失と 3 相モーター負荷電流 (単位:ARMS) との関係を示しています。このとき、PCB と GaN-FET は通常約 5 分後に定常状態の温度に達します。電力損失は GaN-FET のスイッチング電力損失と導通電力損失によって支配され、位相電流シャントの電力損失は無視できる程度です。
出力電流 7.7ARMS、16kHz PWM における TIDA-010255 ボードの電力損失は 16.09W であり、8kHz PWM では 11.2W です。
320VDC、最大相間電圧 130VRMS (3 次高調波による空間ベクトル PWM)、力率 0.9 での最大ピーク効率の理論値は、16kHz PWM で 99.4%、8kHz PWM で 99.6% です。
実効的な寄生容量性損失を確認するため、PWM デューティ サイクル 50%、PWM スイッチング周波数 8kHz~64kHz、負荷電流ゼロでの TIDA-010255 PCB の電力損失を測定しました (図 4-21 を参照)。最初のテストでは、インバータの出力を未接続のままにしました。64kHz PWM での損失は 21.7W でした。総合損失は式 5 によります。ここで、COSS_HB はハーフ ブリッジあたりの実効寄生容量 (約 1.1nF) です。その結果、TIDA-010255 の PCB 寄生容量を含めて、6 つのパワー スイッチのそれぞれ 1 つあたりの容量は約 550pF と求まります。PCB の寄生容量が 50pF であると仮定すると、0V~320V での、LMG3422R030 の時間に関連した実効出力容量 CO(tr) の推定値は約 500pF であり、これは、0V~400V での CO(tr) である 430pF と比べて約 15% 大きい値です。
2 番目のテストでは、AC 誘導モーターに 1m のケーブルを接続し、負荷電流ゼロでの損失全体に及ぼす影響を調べました。ここでも、PWM デューティ サイクルを 50% に設定したため、モーター電流は駆動されませんでした。64kHz での損失は 22.7W に増加しました。1m のケーブルとAC 誘導モーターで増加した寄生負荷容量は、相あたり約 50pF と計算されました。