JAJU913A December 2023 – August 2024
この段には LMG3522R030 が使われています。ドライバ内蔵の 650V 定格 30mΩ GaN FET で、デジタル温度通知や、過電流、短絡、過熱、VDD UVLO、高インピーダンス RDRV ピンのフォルト検出などの高度なパワー マネージメント機能を備えています。GaN FET の温度は可変デューティ サイクル PWM 出力により通知されるため、対象ポイントの接合部温度を簡単に読み取ることができます。入力 EMI フィルタは、差動ノイズを除去し、伝導エミッションの規制値を下回る状態を維持するように設計されています。電流リップルを処理するために、高品質の出力セラミック コンデンサとフィルム コンデンサが DC リンク出力に配置されています。インダクタ Bourns 145451 が使用されています。図 3-2 に、単一コンバータ段の回路図を示します。
スイッチング周波数が非常に高いので、寄生インダクタンスと電力ループに注意することが重要です。寄生インダクタンスの影響を抑えることで、スイッチング ノードの電圧スパイクが低減されます。GaN、SiC ダイオード、インダクタの間のスイッチング ノードの配線は、PCB 層内のループ面積が非常に小さく、寄生インダクタンスが低減され、リンギングが抑制されます。4 つのコンデンサを並列接続すると、等価直列インダクタンス (ESL) を 1/4 に減らすことができます。また、ダイオード、セラミック コンデンサ、GaN の間の電力ループもできるだけ小さくしています。図 3-3 に LMG3522R030 のレイアウトを示します。ここでは、スイッチング ノードは黄色で示し、電力ループは矢印で示しています。レイアウトからわかるように、SiC ダイオードの下には多数のビアがあります。これは、放熱を高めて PCB の熱抵抗を低減するためです。両方の昇圧段は対称に設計されており、回路図とレイアウトはできるだけ同一に保たれています。