JAJU913A December 2023 – August 2024
太陽光発電システムの需要増加に伴い、インバータは再生可能エネルギーへの移行を一層促進し、住宅用途でソーラー エネルギーをより身近なものにする上で重要な役割を果たしています。ストリング インバータはモジュール性が高く、ワットあたりのコストが低く、より高い電力レベルに到達するための増幅が容易であることから、単相市場における理想的な製品となっています。バッテリを介したエネルギー ストレージの可能性も加わり、ハイブリッド ストリング インバータは、ストリング入力の電力利用を最大限にするのに適した手段を提供し、夜間や低照度のシナリオでグリッドに電力供給する代替経路も提供するものです。
このようなハイブリッド ストリング インバータは、PV パネルの電力点追従機能に、インバータ段、およびバッテリ段を含む双方向機能を組み合わせることでより高い電力密度と効率が求められ、これこそが、窒化ガリウム (GaN) FET が複数の利点をもたらすことができる点です。GaN FET は高いスイッチング周波数をサポートしているため、EMI フィルタやヒートシンクを小型化でき、これによってシステムのコンパクト化と軽量化が推進され、設計のフォーム ファクタを高めることができるのです。
このリファレンス デザインは、PV 入力機能と広範囲のバッテリ電圧に対応する BESS を組み合わせるための完全双方向電力フローを備えた、2 チャネル単相ストリング インバータの実装を示します。
このリファレンス デザインには以下の 3 つの主要な段が含まれます。
このシステムは、機能に応じて分かれる 2 枚の基板で構成されています。
1 枚目の DC/DC 基板は、個別のストリング入力に対応する 2 つの入力昇圧コンバータと、バッテリ段に関連付けられた 1 つの DC/DC コンバータで構成されています。2 枚目の DC/AC 基板は、DC リンク コンデンサ、DC/AC コンバータ、フィルタリング回路で構成されています。このリファレンス デザインでは、すべての高周波スイッチング部品でテキサス・インスツルメンツの上面放熱型 GaN FET を使用しています。
どちらの基板もアルミニウム製ヒートシンクの上に取り付けられており、熱インターフェイス材料によって GaN FET に接続され、追加の熱インターフェイス材料によって SiC ダイオードに接続されています。このリファレンス デザインのヒートシンクは静的な冷却条件で動作することを想定しており、サイズは 324mm × 305mm × 57mm です。システム全体の寸法は 300mm × 280mm × 48mm、体積は 4 リットル、フォーム ファクタは 2.5kW/l です。