JAJU915A December 2023 – June 2024
この CLLLC コンバータでは、巻線比が 3:8、リーケージ インダクタンスが 900nHH のトランスを使います。HV 側には、電圧ダブラを備えたハーフ ブリッジ構成のスイッチング段があります。すべてのスイッチは、LV 側も HV 側も GaN 技術を採用しています。
ZVS を実現するため、実効寄生容量を求め、必要な励磁インダクタンスを計算しました。両側 (HV と LV) の寄生容量を考慮する必要があります。
等価寄生容量は、セクション 2.3.1 の式を使って以下のように計算しました。
式 5 によれば、デッド タイムが 100ns の場合、LM の最大値は 8.5μH です。この設計では、LM = 6μH を選択しました (Bourns 145449)。
ZVS を実現するには、さらにエネルギーを確認する必要があります。計算されたインダクタンスに蓄積されるエネルギーは、COSS に蓄積されるエネルギーよりも大きい必要があります。
最大励磁インダクタンスはスルーレート要件によって制限されており、エネルギー要件によっては制限されないことを確認します。
これは、共振周波数周辺で動作している限りユニット ゲインを示す固定周波数コンバータです。この設計では、トランスのリーケージ インダクタンスは 900nH です。264nF の共振容量を選択しました。直列共振周波数は、式 9 で計算できます。
その結果、共振タンクの共振周波数は 449kHz になります。寄生成分の影響を回避するため、コンバータは共振周波数より少し低い 400kHz で動作します。
図 3-6 に、LV 側から HV 側に電力を伝送する、設計された CLLLC コンバータの波形を示します。