JAJU919 December 2023
1 つのシャント電流センシング技術により、DC リンク バス電流を測定し、電力 FET のスイッチング状態を把握した上でモーターの 3 相電流を再構築します。1 つのシャント電流センシング技術の詳細については、『単一 DC リンク シャント付き PMSM のセンサレス FOC』アプリケーション ノートを参照してください。
このリファレンス ボード上では、図 2-32 に示すように、2 つのシャントを取り外し、パワー モジュールの U、V、W の接地接続を短絡することにより、1 つのシャント電流センシング技術を実装します。
図 2-33 に、MSPM0G1507 ドーターボードにおける 1 つのシャント電流センシング回路を示します。
デフォルトでは、ボードには 3 つのシャント抵抗があります。図 2-34 にシャント抵抗のレイアウトを示します。1 つのシャント抵抗で動作させるには、R80 を残したまま R81 と R82 を取り外し、NU、NV、NW (R80、R81、R82 のピン 2) を一緒に半田付けします。これで、3 相電流はすべて R80 だけに流れます。
DC リンク電流は単方向信号であるため、図 2-35 に示すように、DC リンク電流の ADC サンプリング範囲を改善するために、DC リンク電流オフセットは最小値または最大値に設定することができます。TMS320F2800137 ドーターボードで、リファレンス電圧のための抵抗 R7 を 10kΩ から 1kΩ/1% に変更し、DC 電流センシング用にオフセットを 0.3V に調整します。
この電流サンプリング回路の伝達関数と、1 つのシャントの場合の計算は、3 つのシャントの場合と同じです。
MSPM0 ドーターボードの場合、図 2-33 に示すように、R31 を 20kΩ から 2kΩ に下げることで、1 つのシャント電流センシングのオフセットも 0.3V に下げることができます。