JAJU920 December 2023 MSPM0L1303 , MSPM0L1304 , MSPM0L1305 , MSPM0L1306 , MSPM0L1343 , MSPM0L1344 , MSPM0L1345 , MSPM0L1346
図 2-9 に、復調器段と積分器段の回路図を示します。復調器 (マルチプライヤ) トポロジは、2 組の SPDT アナログ スイッチ (TS5A623157) を使用したチョッピング スイッチとして選択します。スイッチの入力は、それぞれ BPF 出力とバッファ付き同相電圧 (1.65V) です。周波数 fmod の LED_DEMOD および LED_DEMODB 信号でスイッチを切り替えることで、入力に対するチョッピング スイッチの出力極性を同じにすることも逆にすることもでき、それぞれ実質的に入力に +1 あるいは–1 を乗算したことになります。
復調器の出力を RC 積分器に供給します。リセット スイッチ (SN74LVC1G66) がオンのとき、積分器出力は VCM,BPF にリセットされます。リセット スイッチがオフになると (積分器がアクティブ)、積分器の入力電圧は RINT によって電流 IINT に変換され、電流極性に基づいてコンデンサ CINT が充電または放電されます。積分器の出力は、リセット オン信号の前に ADC によってパルス単位でサンプリングされます。
積分器の R と C は、それぞれ 28kΩ と 12pF として設計されており、目標ゲイン値は次のように計算されます。
Tp,mod は復調パルスのパルス High 継続時間です。この設計では、積分器のゲインは 16 になるように設計されています。
図 2-10 に、煙感知が動作しているときのシグナル チェーンの全体的な過渡波形を示します。デジタル サンプル Dn,k は、n 番目の感知フェーズにおける k 番目のパルスのセンシング信号を示します。1 つの感知フェーズの最終的な出力信号は、すべてのパルスをデジタル フィルタに渡すか、単純に結果を平均化して得ることができます。たとえば、M を特定のサンプル フェーズで送信されたパルスの合計数とすると、最終的な出力は次のようになります。
式 8 は、消費電力を犠牲にして多数のパルスを送信することで、低ノイズ (性能が向上) が実現できることを示しています。