JAJU922A October 2022 – February 2024
Lrp を選択する際には、Lm と Lrp の比が設計パラメータとして広く使用されます。
Ln 値は、共振タンクの電圧ゲインがコンバータの動作範囲全体で十分になるように選択されます。このデザインでは、入力電圧が PFC 段から供給され、推定 10% のリップルが発生するため、10% 以上のゲイン変動が必要です。この基準と、インダクタ値、およびそれによる損失を低減するために Ln を高く維持する必要があるということを考慮に入れて、負荷によって Ln が変化する FHA のプロットに基づいて、このデザインでは Ln は 14 が選択されます(図 2-7 を参照)。
Ln を選択したので、式 4 を使用して Lrp を計算できます。Lrp と Crp はコンバータの直列共振周波数を決定し、式 5 で表されます。
式 5 は、設計に必要な Crp を計算するために使用できます。ただし、部品の入手可能状況により、設計には次に近い値の Crp が使用されます。これらの部品値による BCM ゲインは、図 2-7 のとおりです。
図 2-7 では、負荷が増加する (RL_dc が低下する) と、直列共振周波数未満の領域でゲイン曲線は非単調になります。これによって、ZVS が1 次側 FET で失われ、さらに深刻なことに、制御ができなくなることにつながります。このため、公称 Vout での最大負荷を想定した場合、負荷は RL_dc = 30Ω に制限またはクランプされ、このときゲインは単調になります (図 2-7 を参照)。
さらに 図 2-7 は、BCM では、200kHz~800kHz の動作周波数全体で十分なゲインがあり、すべての動作条件に対応できます。最後に、注目すべきは、PFC リップルを低減できれば、想定される入力範囲も小さくなるということです。これにより、必要なゲイン範囲が小さくなり、最終的にはすべての負荷条件に対応するために必要な周波数変動を低減できます。