JAJU922A October 2022 – February 2024
ゼロクロス電流スパイクは、TTPL PFC トポロジにおける一つの課題です。これは、ステート マシンによるソフトスタートの手法を実装して、一定のシーケンスでスイッチのオン / オフを切り替えることで解決されます。
図 3-8は、AC波が負から正に移行するときのスイッチング シーケンスを示しています。負の半サイクル中は、Q1 がオン、Q3 がアクティブFET、Q4 が同期 FET となります。この間、Q2 を通る電圧は DC バス電圧となります。ACサイクルが変わると、Q2は100%またはほぼ100%オンになる必要があります。Q2 がすぐにオンになると、非常に大きな正のスパイクが生じます。このため、図 3-8に示すようにソフトスタート シーケンスを用いてQ4をオンにします。このソフトスタートの調整は、インダクタンス値やその他の電力段パラメータ (デバイスの Coss など) に依存します。
ゼロクロス付近で負の電流スパイクが生じるもう一つの理由は、ゼロクロス付近の AC 電圧が比較的低いことです。Q3がオンになると、デューティ サイクルが低くても、高電圧差となり、高い負の電流スパイクが生じる可能性があります。このため、Q3が再びスイッチング動作を開始する前に、十分な遅延を要します。
また、ソフトスタートの開始後に、いくらかの遅延ののちQ2がオンになります。