JAJU922A October 2022 – February 2024
電流ループモデルを理解するには、まずインダクタ電流に注目します。図 3-5 では、スイッチ Q3 および Q4 に接続された PWM 変調器にデューティ サイクル (D) が設定されます。ここから、式 6を次のように表します。
D を 1 に設定すると、Q3 は常時オンになり、D を 0 に設定すると、Q3 は常時オフになります。
インダクタを流れる電流を変調するには、Q3 スイッチ と Q4 スイッチのデューティ サイクル制御を用いて電圧 を制御します。電流の方向は AC ラインから整流器に流れ込む方向で正となり、DC バス フィードフォワードおよび AC 電圧フィードフォワードの使用時にはグリッドがかなり強力になると想定されます。図 3-6に電流ループの概略図を示し、電流ループプラントモデルを式 7のように表します。
ここで、
基準の負記号は、電流ループが電圧 を制御していると考えられるためです。電流を上げるには、 を下げる必要があります。このため、図 3-6 の基準と帰還では記号が逆になっています。
次に、この電流ループモデルを用いて電流補償器を設計します。電流ループには、単純な比例積分(PI)コントローラを使用します。
2 相インターリーブの場合は、各レッグに同じデューティ サイクルが設定されるため、電流は単純に 2 倍になります。このため、プラントモデルは式 8のようになります。