JAJU926 March 2024
0A の電流で DC ノイズ測定を行います。ADS7043 と AMC1035 を使用して TMCS1123 の出力電圧を 10kHz でサンプリングした後、サンプリングされた電圧を実効入力電流に合わせてスケーリングします。図 4-4~図 4-7 に、TMCS1123 での A/D 変換後の実効出力ノイズを示します。デルタ シグマ変調器 AMC1035 の実効出力ノイズは小さくなります。Sinc3 OSR 64 フィルタのカットオフ周波数は 80kHz であり、SAR ADC に比べてノイズ フロアを低減できるからです。
ノイズの二乗平均平方根 (RMS) 値によって ENOB を計算します。結果を 表 4-4 に示します。
ADS7043 を使用した場合の TMCS1123B3 と TMCS1123B1 のノイズ結果を比較します。B1 バージョンの入力ノイズ RMS は 110.13mA であり、B3 バージョンよりも 20% 大きくなりますが、B1 バージョンのフルスケール範囲は 3 倍大きいため、B1 の ENOB は 8.93 ビットであり、B3 バージョンの ENOB よりも 1.4 ビット大きくなります。
ADS7043 と AMC1035 の結果を比較します。Sinc フィルタを使用すると、B1 と B3 の両方のバージョンでノイズを大幅に低減できます。TMCS1123B1 および AMC1035 を使用する場合、64 倍の OSR Sinc3 フィルタにより、 ADS7043 の結果と比較して 38% のノイズを低減し、ENOB は 0.7 ビット大きくなります。
デバイス | TMCS1123B3 (±22A) | TMCS1123B1 (±66A) | ||
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ADC | ADS7043 | AMC1035 Sinc3 OSR = 64 |
ADS7043 | AMC1035 Sinc3 OSR = 64 |
出力ノイズ RMS/mA |
91 | 64 | 105 | 68 |
SNR /dB | 48 | 51 | 56 | 60 |
ENOB (DC) /ビット | 7.6 | 8.1 | 9.0 | 9.7 |