JAJU934 May   2024

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   参照情報
  4.   特長
  5.   アプリケーション
  6.   デザイン イメージ
  7. 1システムの説明
    1. 1.1 主なシステム仕様
  8. 2システム概要
    1. 2.1 ブロック図
    2. 2.2 設計の考慮事項
    3. 2.3 主な使用製品
  9. 3システム設計理論
    1. 3.1 ハードウェア設計
    2. 3.2 ソフトウェア設計
      1. 3.2.1 TMAG5170 SPI フレーム
        1. 3.2.1.1 32 ビット フレームのシリアル データ
        2. 3.2.1.2 シリアル データ出力 32 ビット フレーム
      2. 3.2.2 TMAG5170 のレジスタ構成
      3. 3.2.3 SPI と変換開始タイミング
      4. 3.2.4 線形位置の計算
  10. 4ハードウェア、ソフトウェア、テスト要件、テスト結果
    1. 4.1 ハードウェア
      1. 4.1.1 PCB の概要
      2. 4.1.2 MCU インターフェイス コネクタ
    2. 4.2 テスト構成
    3. 4.3 テスト結果
      1. 4.3.1 磁界の Z 軸および X 軸成分の測定
      2. 4.3.2 リニア位置測定
      3. 4.3.3 SPI 信号測定
  11. 5設計とドキュメントのサポート
    1. 5.1 デザイン ファイル
      1. 5.1.1 回路図
      2. 5.1.2 BOM (部品表)
      3. 5.1.3 PCB レイアウト
        1. 5.1.3.1 レイアウト プリント
        2. 5.1.3.2 レイアウトのガイドライン
    2. 5.2 ツールとソフトウェア
    3. 5.3 ドキュメントのサポート
    4. 5.4 サポート・リソース
    5. 5.5 商標
  12. 6著者について

TMAG5170 のレジスタ構成

TMS320F280049C MCU の SPI は、10MHz SPI クロックと、32 ビット フレームをサポートするための連続する 2 つの 16 ビット SPI データ転送を備えたホストとして設定されています。シリアル クロックは、SPI 転送の前後で Low レベルに設定されています。SPI 受信データ (MISO) は SPI クロックの立ち上がりエッジ (SCLK) でラッチされ、送信データ (MOSI) はクロックの立ち下がりエッジで送信されます。

スタートアップ後に、TMAG5170 レジスタは通常の 32 ビット SDO 読み取りフレームを使用して設定されました。このリファレンス デザインで使用する N45 磁石を使用したデフォルト構成を、表 3-1 に示します。

表 3-1 TMAG5170 のレジスタ構成
レジスタ オフセット [HEX] 値 [HEX] 備考
0h 0130h 平均化なし、検出磁気温度係数 0.12%/deg C (NdBFe)、アクティブ トリガ モード
1h 0345h XZX チャネル イネーブル (疑似同時サンプリング)、Z 範囲 ±50mT、X 範囲 ±50mT
2h 0400h nALERT パルス (立ち下がりエッジ) で変換開始
3h 0000h デフォルト
4h 7D83h デフォルト
5h 7D83h デフォルト
6h 7D83h デフォルト
7h 6732h デフォルト
8h 0040h 読み取り専用
9h 0058h 読み取り専用
Ah 0000h 読み取り専用
Bh 7FD0h 読み取り専用
Ch 4500h 読み取り専用
Dh 0000h 読み取り専用
Eh 0300h 読み取り専用
Fh 0040h SPI 通信で CRC がイネーブル (デフォルト)
10h 0000h Reset OSC カウンタ (デフォルト)
11h 0000h デフォルト
12h 0000h デフォルト
13h 0000h 読み取り専用
14h 0000h 読み取り専用

TMAG5170 レジスタの構成が完了した後、各 TMAG5170 に対する書き込みコマンドで、特別な 32 ビット SDO フレームを設定します。このモードでは、Z 軸と X 軸の磁界強度、および CRC が単一の 32 ビット フレームで送信されるため、全体のレイテンシが短縮されます。

表 3-2 特別な 32 ビット SDO フレームのための TMAG5170 レジスタ設定
レジスタ オフセット [HEX] 値 [HEX] 備考
2h 0480h nALERT パルス (立ち下がりエッジ) で変換開始。特別な 32 ビット SDO フレームをイネーブル (ビット 8 を設定)

CORDIC を使用した絶対角度測定では、正確な角度を計算するために Z 軸と X 軸のセンサ データが必要です。単一の AD コンバータで、同じシグナル チェーンを使用して異なる時間に収集された磁界データは、角度計算に誤差を生じさせます。TMAG5170 は、疑似同時サンプリング データ収集モードを備えているため、この誤差を除去できます。図 3-5 に、XZX データを収集し、デュアル X サンプルから X データの平均を計算するための XZX チャネル モード (疑似同時サンプリング モード) の例を示します。この場合、X 軸の信号周波数が ADC サンプル レートよりも大幅に低いと仮定し、X および Z センサの平均データのタイムスタンプは同じになります。

TIDA-060045 TMAG5170 疑似同時サンプル モード図 3-5 TMAG5170 疑似同時サンプル モード