JAJU935 May 2024
オフセット ドリフトは、温度範囲全体にわたるオフセット電圧の変化です。シグナル チェーンのオフセット ドリフトは、ボックス法を使用して収集されたオフセット データから計算できます。ボックス法は、式 2 に示すように、範囲全体にわたる最大オフセットと最小オフセットを取得し、オフセットを温度範囲で除算します。
ゲイン誤差は、シグナル チェーンの実際のスロープと理想的なスロープとの差です。ゲイン誤差は、DC テスト電圧をフルスケール範囲の -95% と 95% で印加して測定します。誤差は、式 3 に示すように、DC テスト電圧 (理想的なスロープ) の変化を、ゲイン(G) でスケーリングし、ADC 出力電圧 (実際のスロープ) の変化から減算して計算されます。
ゲイン ドリフトは、ゲイン段全体にわたる最小および最大ゲイン誤差を使用して、再度ボックス方式を使用して求めることができます。
標準のゲインおよびオフセット ドリフト誤差は、PGA855 および ADS127L21 データシートに記載されている標準値を加算して推定されます。最大誤差についても同様です。
PGA855 (標準値) |
ADS127L21 (TYP) | PGA855 + ADS127L21 の推定値 (標準値) | PGA855 (MAX) | ADS127L21 (MAX) | PGA855 + ADS127L21 の推定値 (最大値) | |
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オフセット ドリフト (μV/℃) | 0.3 | 0.05 | 0.35 | 1 | 0.2 | 1.2 |
ゲイン ドリフト (ppm/℃) | 1 | 0.5 | 1.5 | 2 | 1 | 3 |
20℃~30℃の範囲について、ドリフトから予測される誤差は約 ±3.5μV のオフセットと、±15ppm のゲイン誤差です。以下に示すのは、1 つのユニットから測定された温度範囲全体にわたるオフセットおよびゲイン誤差です。
図 4-5 と図 4-6から、式 2 と式 4 を使用して、ユニットの温度ドリフトを計算できます。
ゲイン (V/V) | 0.25 | 1 | 4 | 16 |
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オフセット ドリフト (μV/℃) | 0.81 | 0.11 | 0.04 | 0.02 |
ゲイン ドリフト (ppm/℃) | 2.06 | 0.89 | 0.64 | 1.28 |