JAJU939 June 2024
低リップルと低ノイズは通常、電源の 2 つの異なる特徴を示しています。リップルとは、スイッチング周波数による出力電圧の変動を指します。この変動をスコープで測定し、第 2 段の LC フィルタを使用して低減します。ノイズとは通常、100Hz~100kHz の周波数範囲における電圧変動を指し、通常はノイズ スペクトラムを使用して測定され、独自の IC 設計によって制限されます。低リップルが必要で、低ノイズの必要がない一部のアプリケーションでは、汎用ピーク電流モード降圧レギュレータとして、第 2 段目の LC フィルタを使用する設計方法が推奨されます。
第 2 段のフィルタを使用する降圧コンバータの方式を、図 2-2 に示します。2 次ローパス フィルタは、インダクタ L2 とコンデンサ C2 によって形成されます。フィルタとともに新しい共役極のペアが導入されており、高周波ゲインの減衰により、スイッチング周波数における出力電圧リップルとノイズを低減できます。インダクタ L2 とコンデンサ C2 の選択方法は、アプリケーション ノートで分析されています。
第 2 段のフィルタを使用する電源設計の方式を、図 2-3 から図 2-5 までに示します。これらは、それぞれ第 1 段センス、第 2 段センス、ハイブリッド センスを使用する電源設計に対応しています。それぞれの設計の長所と短所を以下にまとめます。
ハイブリッド センスに明らかな利点があるため、リファレンス デザインではこのセンス方式を基礎としています。
PCM 降圧コンバータ TPS62933F を使用し、2 段目のフィルタとハイブリッド センス機能を搭載した TIDA-050073 のブロック図を、図 2-6 に示します。このアプリケーション ノートでは、ハイブリッド センス ループの安定性を分析する方法について解説します。