JAJU944 August   2024

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   参照情報
  4.   特長
  5.   アプリケーション
  6.   6
  7. 1システムの説明
    1. 1.1 用語
    2. 1.2 主なシステム仕様
  8. 2システム概要
    1. 2.1 ブロック図
    2. 2.2 設計の考慮事項
    3. 2.3 主な使用製品
      1. 2.3.1 TPS1213-Q1 45V、低 IQ、車載用ハイサイド スイッチ コントローラ、低消費電力モードおよび可変負荷ウェークアップ トリガ付き
      2. 2.3.2 INA296x-Q1 AEC-Q100、-5V~110V、双方向、1.1MHz、8V/μs、超高精度電流センス アンプ
  9. 3システム設計理論
    1. 3.1 低消費電力モードに関する考慮事項
    2. 3.2 プリチャージ回路に関する考慮事項
    3. 3.3 短絡保護
    4. 3.4 LM74704-Q1 対応
    5. 3.5 ヘッダー
      1. 3.5.1 INA296B-Q1 構成用ヘッダー
      2. 3.5.2 TPS1213-Q1 構成用ヘッダー
    6. 3.6 ソフトウェアに関する考慮事項
      1. 3.6.1 ヒューズ チャネルの定義
      2. 3.6.2 ソフトウェア機能
    7. 3.7 オプションの出力 TVS ダイオード
  10. 4ハードウェア、ソフトウェア、テスト要件、テスト結果
    1. 4.1 ハードウェア要件
    2. 4.2 ソフトウェア
    3. 4.3 テスト構成
    4. 4.4 テスト結果
      1. 4.4.1 状態遷移
      2. 4.4.2 低消費電力モードでのシステム IQ
      3. 4.4.3 プリチャージ テスト
      4. 4.4.4 過電流保護
      5. 4.4.5 PWM 過電流
      6. 4.4.6 短絡保護
      7. 4.4.7 温度テスト
      8. 4.4.8 CISPR-25 エミッション テスト
        1. 4.4.8.1 伝導エミッション テスト
        2. 4.4.8.2 放射エミッション テスト
        3. 4.4.8.3 結果のまとめ
  11. 5設計とドキュメントのサポート
    1. 5.1 デザイン ファイル
      1. 5.1.1 回路図
      2. 5.1.2 BOM
      3. 5.1.3 PCB レイアウトに関する推奨事項
        1. 5.1.3.1 レイアウト プリント
      4. 5.1.4 Altium プロジェクト
      5. 5.1.5 ガーバー ファイル
      6. 5.1.6 アセンブリの図面
    2. 5.2 ドキュメントのサポート
    3. 5.3 サポート・リソース
    4. 5.4 商標
  12. 6著者について

低消費電力モードに関する考慮事項

すべての部品は、低消費電力モード時の消費電流が 40μA 未満になるように選択されました。この静止電流は主に TPS1213-Q1 から成ります。TPS1213-Q1 は、低消費電力パスの FET を駆動する際に、35μA という小さい IQ を消費します。INA296B-Q1 はイネーブル ピンを持っていないため、低消費電力モードでの INA296B-Q1 の状態を制御するのに、TPS22919-Q1 ロード スイッチを使用しました。表 3-2 に、低消費電力モードでのすべてのデバイスの静止電流を示します。

表 3-1 部品の静止電流
デバイスIQ (低消費電力モード)
TPS1213-Q135μA
INA296B-Q1該当なし
TPS22919-Q10.002μA
TPS7B81-Q12.7μA
LM74704-Q11μA
MSPM0L1306-Q1 (スタンバイ モード)1.4μA

図 3-1 に、TPS1213-Q1 の回路図を示します。低消費電力モードでは、LM74704-Q1 は無効化されるため、内部 FET ダイオード (Q1) の導通により、約 0.7V の出力電圧降下が見込まれます。

TIDA-020065 TPS1213-Q1 の回路図図 3-1 TPS1213-Q1 の回路図

負荷ウェークアップ トリガ スレッショルド (この設計では 200mA) を選択するには、次の 式 1 を使います。

式 1. RBYPASS(Ω)=(2μA×RISCP+19mV)ILWU-RDSON_BYPASS

ここで、

  • RISCP (R8) は、式 5 を使って設定された短絡スレッショルドに基づいて選択される抵抗です。
  • ILWU は負荷電流ウェークアップ スレッショルドの目標値です。
  • RDSON_BYPASS = 25.8mΩ です。
  • RBYPASS は、負荷を短絡した状態で電源を投入した際の Q3 の電流とストレスを制限するのにも役立ちます。

ハイサイド抵抗とローサイド抵抗のどちらが必要とされているかによって、RBYPASS として R4 と R11 のどちらかを使用できます。

リリース前の TPS1213-Q1 シリコンの場合、式 1 の代わりに 式 2 を使います。

式 2. RBYPASS(Ω)=(2μA×RISCP+10mV)ILWU-RDSON_BYPASS