JAJY138 November   2023

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   概要
  4.   ノイズと ADC
  5.   電源アーキテクチャにおけるノイズと精度の定義
  6.   低ノイズと低消費電力の電圧リファレンスのイノベーション
  7.   超低ノイズ電圧リファレンスのイノベーション
  8.   簡素化した電源アーキテクチャによるノイズ特性と放熱特性の改善
  9.   LDO 電源レールによる大電流、低ノイズ
  10.   高精度バッテリ監視のイノベーション
  11.   まとめ
  12.   その他の資料
要求の厳しい電子システムで高精度シグナル チェーンを実現するには、固有ノイズとシステム ノイズの低減が不可欠です。低ノイズ電源デバイスのイノベーションは、システム ノイズの低減や精度と正確度の向上に貢献します。

分解能と精度のトレードオフを解消していくことが業界のトレンドとなっている中、シグナル チェーンで最小のノイズを実現することは大変重要です。このトレードオフを解消していく際に重要なのは、A/D コンバータ (ADC) やアンプのようなシグナル チェーン部品のノイズだけでなく、スイッチング レギュレータや低ドロップアウト レギュレータ (LDO) のような電源製品のノイズも考慮することです。シリコン テクノロジーの進歩により、電源トポロジで低ノイズと高精度を実現しようとする場合のトレードオフが減少しています。

24 ビット デルタ シグマ ADC の最近のトレンドでは、サンプリング速度の向上と消費電力の低減が進んでいます。低ノイズの新しい電源と低ノイズの電圧リファレンスは、これらのトレンドを利用して、低消費電力アプリケーションでの高分解能測定を ADC が実現するのに役立てています。

ノイズを最小限に抑えるために、シグナル チェーンと電源アーキテクチャにおけるノイズの発生源を再確認してみましょう。図 1 に、外部電圧リファレンス、クロック、シグナル コンディショニング回路を必要とする ADC を中心とした代表的なシグナル チェーン アプリケーションを示します。図 1 のすべての部品はシステム ノイズの一因となっており、最適化が必要です。

GUID-20231008-SS0I-TNZB-RWWJ-PSGNVPRXDLT0-low.svg図 1 一般的なシグナル チェーンの電源アーキテクチャ

Marcoo Zamora

System Engineer

Linear Power