JAJY138 November 2023
分解能と精度のトレードオフを解消していくことが業界のトレンドとなっている中、シグナル チェーンで最小のノイズを実現することは大変重要です。このトレードオフを解消していく際に重要なのは、A/D コンバータ (ADC) やアンプのようなシグナル チェーン部品のノイズだけでなく、スイッチング レギュレータや低ドロップアウト レギュレータ (LDO) のような電源製品のノイズも考慮することです。シリコン テクノロジーの進歩により、電源トポロジで低ノイズと高精度を実現しようとする場合のトレードオフが減少しています。
24 ビット デルタ シグマ ADC の最近のトレンドでは、サンプリング速度の向上と消費電力の低減が進んでいます。低ノイズの新しい電源と低ノイズの電圧リファレンスは、これらのトレンドを利用して、低消費電力アプリケーションでの高分解能測定を ADC が実現するのに役立てています。
ノイズを最小限に抑えるために、シグナル チェーンと電源アーキテクチャにおけるノイズの発生源を再確認してみましょう。図 1 に、外部電圧リファレンス、クロック、シグナル コンディショニング回路を必要とする ADC を中心とした代表的なシグナル チェーン アプリケーションを示します。図 1 のすべての部品はシステム ノイズの一因となっており、最適化が必要です。