入力 |
出力 |
電源 |
温度 |
Iload Min |
Iload Max |
VCM |
VOUT Min |
VOUT Max |
IQ Max |
VVS |
Vee |
低 |
高 |
1µA |
104µA |
-0.1 V ≦ VCM ≦ 40 V |
1 µA 時に 31.0 mV |
104 µA 時に 3.224 V |
65µA |
3.3V |
GND (0V) |
0°C |
85°C |
設計の説明
この回路は、電流センス アンプを使用して、マイクロアンペア単位の微小電流を最大限のダイナミック レンジで正確かつ確実に測定する方法を示しています。多くの電流センス アンプには、以下の誤差分析が適用できます。この設計では、高精度で入力バイアス電流が小さいセンス アンプを使用し、大きなシャント抵抗の入力バイアス電流による動的誤差を分析しています。
デザイン ノート
- 「Getting Started with Current Sense Amplifiers」ビデオ シリーズ (英語) では、電流センス アンプを使用するための実装、誤差要因、高度なトピックについて紹介しています。
- 大電流でのゲイン誤差を抑制するため、精度 0.1% のシャント抵抗を選択します。
- INA190 などの入力バイアス電流が小さい (入力インピーダンスが高い) アンプを選択します。
- VCM が、次の INA190 の動作 VCM 範囲内であることを確認します:-0.1V~40V。
- DC オフセットが 1 点較正により除去される、またはデバイスが『INA190 ピコアンペア バイアス電流およびイネーブル付きの低電源電圧、高精度、ローサイドおよびハイサイド電流シャント モニタ』データシートに規定されているのと同じ条件 (VVS = 1.8V、VCM = 12V、VREF = 0.9V、TA = 25℃) で動作する場合、誤差は大幅に減少します。ゲイン誤差を除去するには、2 点較正を行えます。
- シャント抵抗が大きい場合、または大きな DC 電流を扱う場合、INA190 の入力に 1nF 以上の入力差動コンデンサを追加することを推奨します。
- データシートに従い、レイアウトのベスト プラクティスを守ります。デカップリング コンデンサは VS ピンの近くに配置し、IN+ と IN- の入力配線は差動ペアとしてルーティングする、などです。
設計手順
- 所定の設計要件で、1µA の負荷電流で最大総合誤差 3.51% をシャント抵抗が達成することを確認します。すべてのオフセットおよびゲイン誤差は負であると仮定します。入力バイアス電流 (IIB) による誤差は、VSHUNT と入力差動インピーダンス (RDIFF) の関数であることに注意します。ここで、RDIFF = IIB+ / VDIFF です。IIB- は約 +500pA から始まり、VSHUNT の増大につれて減少するため、これによって負の入力オフセット誤差が生じます。データシートの「IB+ および IB- と差動入力電圧との関係」のプロットを参照してください。
- 検出される電流の範囲が、デバイスの出力ダイナミック レンジに収まることを確認します。これは、次の 2 つの仕様によって異なります。対 VVS (VSP) 振幅およびゼロ電流出力電圧 (VZL)。VZL は -40℃~+125℃で、VVS = 1.8V、VREF = 0V、VSENSE = 0mV、VCM = 12V、RL = 10kΩ について規定されています。データシートの条件はこの設計の条件とは一致しないため、最大 VZL の値を外挿して求めます。
- VZL のテスト条件に対する正のオフセットの可能な最大値を計算します。これを、VOS_TestConditions と呼びます。
- 可能な最大ゲインを乗算することで、この入力オフセットを出力オフセットに変換します。
- データシートに記載されている VZL_MAX と、前に決定した最大出力オフセットとの差を求め、ヘッドルーム電圧を決定します。
- この設計で可能な最大出力オフセットにヘッドルーム電圧を加算し、この設計で VZL_MAX を計算します。
- 1µA での最小 VOUT が、VZL_MAX より大きいことを確認します。1µA での VOUT_MIN は、RSHUNT および負の入力オフセットについて、-1% 公差のワーストケース シナリオを想定していることに注意してください。
- 次に、104µA での最大 VOUT が、VSP_MIN より小さいことを確認します。104µA での VOUT_MAX は、RSHUNT および正の入力オフセットについて、+1% 公差のワーストケース シナリオを想定していることに注意してください。
- 手順 1 の総合誤差の式に基づいて、「総合誤差と負荷電流との関係」曲線を作成します。データシートの標準値と最大値の仕様について、この作業を行います。
設計シミュレーション
DC シミュレーション結果
次のグラフは、1µA から 104µA までの負荷電流について、線形出力応答を示しています。
総合誤差の計算
次のグラフは、想定する限界仕様と標準仕様の両方を使用して、動作温度範囲全体にわたる総合絶対誤差を示したものです。検出する電流の精度は、最小の電流ではオフセット電圧によって、より大きな電流ではゲイン誤差によって制限されることに注意してください。アクティブなオフセット チョッピングにより、温度に起因する誤差を抑制できます。
電流シャント モニタに使用されている設計
INA190A1 |
VVS |
1.8V~5V (動作範囲) |
VCM |
-0.3V~42V (絶対最大定格) |
VOUT |
最大 (VVS) + 0.3V |
VOS |
±3µV~±15µV |
IQ |
48µA~65µA |
IIB |
0.5nA~3nA |
BW |
25V/V で 45kHz (A1 ゲイン バリエーション) |
チャネル数 |
1 |
INA190 |