ソフトウェア デファインド ビークル (ソフトウェア定義の自動車)

ゾーン アーキテクチャでは、各種機能がより少数の ECU に統合されるため、SDV を設計する際は、フレキシブルな処理ソリューションを確保することが重要です。TI のマイコンとプロセッサの製品ラインアップは、幅広い性能に加え、サイバーセキュリティを実現する統合型ハードウェア セキュリティ モジュールなどの重要な機能を備えています。

製品ラインアップの特長：

• セントラル コンピューティング：高性能のコンピューティング能力、AI アクセラレーション機能を備え、機能安全に対応したマルチコア Arm Cortex-A プロセッサ。
• ゾーン コントローラ：低レイテンシのマルチインターフェイス通信とデータ セキュリティを提供する C2000、Arm Cortex-M、Cortex-R の各専用マイコン。
• エッジ ECU：センサ、アクチュエータ、ローカル負荷を低消費電力で制御するための、コスト効率に優れたオプションを備えたミックスド シグナル マイコン。

ゾーン アーキテクチャはスマート負荷ドライバを土台としており、負荷または配線の障害条件が発生したときもマイコンの介入を最小限に抑えることができます。また、ワイヤレス更新を実行できるようにソフトウェアのフレキシビリティを確保しているほか、共通性を高めているため、プラットフォーム全体やバージョン全体でプリント基板と部品表のコストを削減しやすくなります。

製品ラインアップの特長：

• さまざまな障害条件に対して負荷ドライバ、ケーブル、負荷を自律的に保護するための高度な障害診断機能。
• SPI (シリアル ペリフェラル インターフェイス) を使用して、障害、負荷の制御、他のデバイス設定を変更するためのソフトウェア構成能力。
  
• FET (電界効果トランジスタ) とゲート ドライバを内蔵するソリューションなど、チャネル数と負荷に関する独自の要件を満たすのに役立つ、多様なマルチファンクション デバイスとマルチチャネル デバイス。

ソフトウェア ディファインド ビークルでは、パワー ディストリビューション ボックスやローカル ゾーン コントローラの内部で、従来の溶断式ヒューズをスマート スイッチに置き換えることにより、インテリジェントな最適化済みパワー ディストリビューションを実装しています。TI のスイッチには、リセット可能な出力、温度範囲全体にわたる高精度の I2t 特性などの利点があり、配線ハーネスの短縮やワイヤ重量の低減に役立ちます。

製品ラインアップの特長：

• ソフトウェアで構成可能な I2T 電流制限と静電容量性充電によって負荷をインテリジェントに駆動できる、車載 eFuse ハイサイド スイッチ。これらのデバイスは、障害が発生した場合にリセット可能であり、各負荷の障害の種類と状態に関する診断情報をマイコンに提供できます。
• 高出力パッケージと小型フォーム ファクタ向けのインテリジェントなパワー ディストリビューション機能を搭載したモーター ドライバ。 

ワイヤレス更新の実装や、多様なデータの共有を実現できるように、ネットワークのすべての層にわたって高い信頼性と安全性を確保した車内ネットワーク通信を提供します。

製品ラインアップの特長：

• 自動車のバックボーンからエッジ ノードに至るまでの通信を可能にし、複雑なソフトウェア処理を PHY ハードウェアにオフロードすることで、SDV の統合を容易にするイーサネット PHY。
• イーサネット、CAN、その他のネットワーク ペリフェラルや内蔵スイッチを搭載したプロセッサ。
• モーター性能の最大化に役立つ統合型モーター ドライバ。
• 同相ノイズ除去とエラー処理によって信頼性を確保する CAN トランシーバ。
• 貴社固有のネットワーク アーキテクチャに適合するように、意図した帯域幅の確保と車内ネットワーク システムのコストを両立するバランス維持。
• 内蔵セキュリティ機能。

TI は、SDV システム向けに設計された、堅牢かつ高品質で安定したソフトウェア開発環境を提供しています。TI の幅広い組込みプロセッシング デバイスでスケーラブルな SDV 設計をサポートすると同時に、TI の共通の開発環境でシームレスなコード再利用を実現しています。この組み合わせによって開発プロセスを簡素化し、ソフトウェアへの投資を最大限に拡大して、開発期間を短縮できます。

製品ラインアップの特長：

• TI のスケーラブルなプロセッサ製品ラインアップ全体でソフトウェアの再利用をサポート。
• 量産品質のドライバと安全性認証取得済みの MCAL によって開発を迅速化。
• FreeRTOS、Linux、QNX、SafeRTOS を含むフレキシブルなオペレーティング システム オプション。
• AUTOSAR への準拠と、TI の多様なソフトウェア エコシステムによるシンプルな統合。 

さまざまな危険が伴う自動車アーキテクチャ ソリューションにおいて、機能安全は必要なリスク管理フレームワークを提供します。セキュリティの観点では、XYZ (チームからの情報提供が必要) など、メーカーから要求される、SDV を保護するための車両固有のサイバーセキュリティ メカニズムがあります。

製品ラインアップの特長：

• 機能安全の FIT (故障率) や FMD (故障モード分布) など、オンデマンドの機能安全関連資料。
• TI のイーサネット デバイスは、メディア アクセス制御セキュリティ (MACsec) などの広範な機能を備えているため、SDV アーキテクチャでセキュアなデータ通信を実現可能。   
• TI のプロセッサ製品ラインアップには、HSM、セキュリティ エンクレーブ、EVITA などを採用。