制御機能を統合した BLDC ドライバ
ボード面積の節減と設計労力の軽減に貢献し、高効率、超低ノイズ、使いやすく、コード記述不要の統合型モーター ドライバ
カテゴリ別の参照
統合型制御 BLDC ドライバの利点
プログラミング不要のモーター制御
FOC (フィールド オリエンテッド コントロール:磁界方向制御)、台形波と正弦波それぞれのセンサレス制御とセンサ付き制御の各アルゴリズム オプションを事前プログラム済みなので、ソフトウェア開発の工数を排除できます。
簡単なモーター チューニング
TI のガイド付き GUI (グラフィカル ユーザー インターフェイス) を使用すると、モーターのチューニングを簡素化できます。TI の統合型制御 BLDC ドライバを使用して、モーターを 10 分未満でチューニングできます。
フットプリントの小型化と PCB 面積の削減
プログラミング不要のシングルチップ モーター ドライバは、ゲート ドライバ、FET、保護機能、および事前プログラム済みのモーター制御アルゴリズムを搭載した内蔵コントローラを統合しており、基板面積を最大 70% 削減できます。
設計に関する労力とコストの削減
プラットフォーム全体でスケーラブルなパワー レベルと電圧を実現し、設計リソースを最小化できます。
BLDC のいくつかの整流方式
BLDC の整流方式の詳細
3 相 BLDC モーターに適したさまざまな種類の整流方法を比較する場合、モーターの構造、アプリケーションの種類、性能のニーズ、設計の複雑さなど、システム レベルの検討事項がいくつも存在します。このビデオと以下のタブをご覧になり、BLDC のいくつかの制御方式や、それぞれの利点とトレードオフの詳細をご確認ください。
台形波整流の詳細
台形波整流には、シンプル、低コスト、信頼性という特長があり、一般的に採用されています。正弦波制御や磁界方向制御 (FOC) に比べて、実装が最も簡単な整流方式です。シンプルであり、特に制御アルゴリズムに要する処理能力の点で、設計時間の短縮とコスト削減に役立ちます。
特性:
- 低コスト
- シンプルな実装
- 必要な処理能力が少ない
- 高速アプリケーションへの適性
- 電気ノイズと音響ノイズが大きい
- トルク リップルが大きい
正弦波整流の詳細
正弦波 BLDC モーターの場合、各相に対応する巻線が、正弦波の逆起電力電圧 (BEMF) を生成します。正弦波制御には、低ノイズ、滑らか、効率的なモーター性能という特長があり、速度アプリケーションで採用することがあります。
特性:
- 超低ノイズ
- 高効率
- トルク リップルが小さい
- ゼロ交差ウィンドウ (期間) がないため、BEMF (逆起電力) の直接測定は不可能
- 台形波制御に比べてスイッチング損失が大きい
- 複雑度が高い
フィールド オリエンテッド コントロール (FOC) 整流の詳細
FOC (フィールド オリエンテッド コントロール:磁界方向制御) を使用すると、最小クラスの可聴ノイズ、最高クラスのモーター効率、高速なモーター速度を実現できます。モーターの相電流と回転子の位置に関するリアルタイム計算を活用し、回転子の各位置で最大のトルクを印加することができます。
特性:
- 最大クラスのトルクとモーター効率
- 最小クラスの可聴ノイズとトルク リップル
- 高速なモーター速度 + 弱め界磁
- 高いスイッチング周波数
- マイコンを必要とする複雑な制御方式とリアルタイム計算機能
センサ付き制御の詳細
センサレス制御アプリケーションでは、固定子を基準として回転子の実際の位置を判定するためにセンサを使用します。トルク、速度、位置制御の各アプリケーションでセンサを使用できます。複数のセンサを使用する主な利点は、複雑度が低く、実装が容易なソリューションであることです。その結果、低速時や休止時であっても、モーターの位置をすぐに把握できます。
特性:
- 複雑度が低い
- 位置が直ちに把握可能
- 通常は低分解能
- 基板またはモーターの面積が大きい
センサレス制御の詳細
センサレス制御を使用すると、逆起電力のゼロ交差を測定する方法や、整流中に生成される逆起電力を計算する方法を使用して、外部センサが不要になる可能性があります。通常、センサレス制御を使用するのは速度アプリケーションです。一定の速度で回転しているとき、モーターは十分な逆起電力を生成するからです。
特性:
- センサを使用せず、基板面積を節減
- センサ故障のリスクを排除
- 追加のシグナル チェーンと計算が必須
主なアプリケーションの概要
住宅用ファンとリビング・ファンで求められるノイズおよび効率要件の達成に役立つ統合型制御 BLDC ドライバ
TI の統合型 BLDC 制御の製品ラインアップは、超静音のファン動作を可能にし、さまざまな条件下でファンの効率向上を実現するフレキシブルな制御方式を提供します。
- 風車制御のサポート:初期速度検出 (ISD) により、順方向と逆方向の同期がスムーズになり、アクティブ・ブレーキにより DC バスのスパイクなくモーターの方向を迅速 (1 秒未満) に逆転可能
- 高速起動:初期速度検出 (ISD) により、10ms 未満での再同期が可能
- 静音動作:デッドタイム補正と連続 PWM 変調
- ファン速度を変更しながら電力サージ保護を実現:AVS が逆起電力モーター電圧を制御
主なリソース
- MCF8316A – 最大 40V、8A ピーク、センサレス FOC 制御 3 相 BLDC モーター・ドライバ
- MCF8316AEVM – MCF8316A 3 相センサレス FOC BLDC モーター・ドライバの評価基板
- How to Reduce Motor Noise with Code-Free, Sensorless BLDC Motor Drivers – アプリケーション・ノート
- MCF8316A - Design Challenges and Solutions – アプリケーション・ノート
プログラミングの不要な TI の統合型 BLDC モーター・ドライバを使用して、高速で堅牢なロボット型掃除機を設計する
TI の統合型制御 BLDC ドライバの製品ラインアップは、吸引モーター、ブラシバー・モーター、モップ・モーターなど、さまざまなモーターの使用事例の要件に適合する選択肢となります。
- 高い吸引力 (最大 3kHz の電気速度) と高い起動トルク性能により、床の状態に関係なく、真空掃除機は一定の速度を維持
- 電力損失と放熱を防止する ASR および AAR 整流手法により、電力損失を最小限に抑制
- ブラシ付きバーの回転を妨げたり止めたりしている障害物 (ソック) を認識するロックアップ検出機能
主なリソース
- MCT8316AEVM – 3 相センサレス矩形 BLDC モーター・ドライバ用 MCT8316A 評価基板
- MCT8316A - Design Challenges and Solution – アプリケーション・ノート
高性能 BLDC モーター・ドライバとコスト効率の優れたスケーラブルなソリューションを使用して設計を迅速化し、コンフォート・モジュールの堅牢で高精度の閉ループ制御を実現する
統合型制御 BLDC ドライバ・ファミリはスケーラブルで、基板面積が限られ、小さい可聴ノイズが求められるシート・モジュールに使用できます。
- プログラミング不要のセンサレス・フィールド・オリエンテッド・コントロール (FOC) アルゴリズムにより可聴ノイズを最小化
- 20W ~ 70W の電力レベルに対応するスケーラブルな 3 相 BLDC モーター・ドライバ
- 統合型の制御、FET、保護機能により基板面積を最小化
主なリソース
- MCF8316A – 最大 40V、8A ピーク、センサレス FOC 制御 3 相 BLDC モーター・ドライバ
- MCF8316AEVM – MCF8316A 3 相センサレス FOC BLDC モーター・ドライバの評価基板