製品保管期間
お客様に納入した後、半導体製品の製品保管期間は、デバイスが使用している原材料の種類、製造条件、湿度感度レベル (MSL)、製品梱包で防湿袋 (moisture barrier bag、MBB) を使用しているかどうか、使用している乾燥剤の量、お客様側の保管条件など、複数の要因に基づいています。TI は、お客様側の適切な最小保管期間特性を満たす形で製品を供給できるように、社内製造と保管の各プロセスを注意深く制御しています。
TI 製品の保管
TI 製品の保管期間と寿命の管理および評価を実施する際に、お客様がこれらの詳細を考慮に入れることをお勧めします。
TI 製品の最も短い有効寿命は、製造日ではなくお客様への納入日を基準としています。
TI は、自社の社内製造保管期間ポリシーを検証するために、包括的で長期的な信頼性研究を実施しています。『Shelf-Life Evaluation of Lead-Free Component Finishes』 (英語)、『Component Reliability After Long Term Storage』 (英語)、『BGA Package Component Reliability After Long-Term Storage』 (英語)、『Long Term Storage Evaluation of Semiconductor Devices』 (英語) の各研究を通じて、TI の製造保管に関する社内慣行に関連する製品の電気的特性の劣化や製品の故障は発生しないことを検証できました。加えて、TI は PDC (Product Distribution Center、製品流通センター) で具体的な行動を実施し、出荷前にすべての原材料の一貫性を確認します。
技術、原材料、製造手法、物流がいずれも進歩しているので、TI の製造日コードが製品の使用方法、品質、信頼性に影響を及ぼすことはありません。
要約する と、TI 製品の最も短い有効寿命と TI の保証期間は、製品をお客様に納入した後で始まります。 詳細については、TI の販売取引に関する約款をご覧ください。
お客様側の製品保管期間
お客様が TI 製品を保管する方法は、重要な要因です。お客様側の製品保管期間とは、納入後にお客様が製品を適切に保管できる期間 (時間的長さ) を意味します。各製品がお客様側の想定保管期間を確実に満たせるようにするには、お客様が TI 製品を保管して取り扱う方法が重要な役割を果たします。各種環境要因にさらされる期間の受け入れ可能な長さについては、TI 製品を梱包した袋または箱に記載のある MSL (湿度感度レベル) 情報をご覧ください。特定の製品は湿度の影響を受けやすいので、MBB (防湿袋) 内に梱包する必要があることに注意してください。この MBB 内で保管できるように、TI は専用の MBB と規定量の乾燥剤を使用しています。また、TI は製品保管状況の低下を確実に防止するために、MBB 内に HIC (Humidity Indicator Card:湿度表示カード) も同梱しています。HIC がピンク色になっていて、10% を上回るレベルに達したことを示している場合、MBB 内の製品を使用する前にベーキングを実施する必要があります。
TI の方針と慣行は、製品の品質や信頼性と、供給の継続性を保証するのに役立ちます。TI 側で在庫の積み上げ、管理、維持を確実に実施すると、お客様への供給の継続性や、製品の迅速な入手に役立ちます。また、生産上の制約や、長い期間が経過した製品の生産中止に起因する負担を最小限に抑えることができます。TI の各種方針は、供給の継続性に役立ちます。お客様への供給の継続性を確保できる方法で、TI は在庫の積み上げ、管理、維持を適切に実施しています。この結果、TI は製品をより迅速に供給することができます。また、生産上の制約や、長い期間が経過した製品の生産中止に起因する負担 (長期間保管した製品が保管期間中に耐用年数を迎えてしまい、複雑な事態とそれに伴う負担が発生する) を最小限に抑えることができます。
詳細については、TI の製品保管期間に関する FAQ をご覧になるか、TI カスタマー・サポート・センターにお問い合わせください。