JAJSGN8 December 2018 AFE5832LP
PRODUCTION DATA.
このデバイスは、2つのダイによるマルチチップ・モジュール(MCM)で実現され、ダイの1つはVCA、1つはADCです。VCAダイには32のチャネルがあり、ADCダイの16のチャネルと接続します。各ADCチャネルは偶数と奇数のVCAチャネルを交互に変換します。
VCAダイの各チャネルは、時間ゲイン補償(TGC)モード、または連続波形(CW)モードに設定できます。TGCモードでは、各チャネルに低ノイズのアンプ(LNA)、プログラム可能アッテネータ(ATTEN)、プログラム可能なゲイン・アンプ、3次のローパス・フィルタ(LPF)が含まれます。LNAのゲインは21dB、18dB、15dBにプログラム可能です。ATTENは0dB~36dBの減衰範囲をサポートし、デジタル制御により減衰を実行します。PGAのゲイン・オプションは、3dB単位で21dB~27dBです。LPFカットオフ周波数は10MHz~25MHzで、各種の周波数の超音波アプリケーションに対応できます。CWモードでは、LNAの出力が低消費電力のパッシブ・ミキサーに送られ、このときの位相遅延は16種類から選択可能です。それぞれのアナログ入力信号へ各種の位相遅延を適用することで、オンチップのビームフォーミングを実行できます。CWミキサーの高調波フィルタは、3次および5次の高調波を抑制し、CWドップラー測定の感度を向上させます。
ADCダイの16のチャネルは、12ビットまたは10ビットの分解能で動作するよう設定できます。ADCの分解能は変換速度とのトレードオフになり、分解能12ビットでは80MSPS、10ビットでは100MSPSまでの速度で動作可能です。各ADCは2つのVCAチャネルを交互に変換するため、AFEの32チャネルそれぞれの最大サンプル・レートは、12ビット・モードでは40MSPS、10ビット・モードでは50MSPSとなります。ADCは、サンプリング・レートに合わせて電力をスケーリングするよう設計されています。ADCの出力インターフェイスは、低電圧差動信号処理(LVDS)を経由して出力され、低コストのフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)と簡単に接続できます。
非常に低消費電力のAFEソリューションであるため、バッテリ動作時間の要件が厳しいシステムに適しています。
このAFEは、15mm×15mm、289ピンのNFBGAパッケージで供給され、AFE5832ファミリとピン互換です。