JAJSQT5A September 2023 – December 2023 AMC21C12
PRODUCTION DATA
デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。
この例のシャント抵抗の値は 10mΩ で、ピーク・モーター電流での目標の電圧降下 (±25A において ±250mV) によって決定されます。±250mV は任意の値ですが、同じシャント抵抗を通過する電流を測定するため使用される、絶縁型電流センシング・アンプの線形入力電圧範囲とよく一致しています。
目的の 20A の過電流検出レベルでは、シャント抵抗の両端の電圧降下は 10mΩ × 20A = 200mV です。ウィンドウ・コンパレータの正方向のトリップ・スレッショルドは VREF + VHYS です。ここで、VHYS は 「電気的特性」の表で規定されている 4mV で、VREF は、REF ピンと GND1 ピンの間に接続された R1 の両端の電圧です。R1 は (VTRIP - VHYS) / IREF = (200mV - 4mV) / 100μA = 1.96kΩ と計算され、E96 シリーズの値 (1% 精度) と一致します。
入力信号をフィルタ処理し、ノイズに対する感度を下げるため、10Ω、1nF の RC フィルタ (R5、C6) をコンパレータの入力に配置します。このフィルタにより、保護回路の総応答時間を計算する際に考慮すべき 10Ω × 1nF = 10ns の伝播遅延が追加されます。そのシステムが追加の遅延に耐えられる場合、ノイズ耐性を高めるためにフィルタ定数を大きくすることを推奨します。
表 7-2 に、この設計の主要パラメータを示します。
パラメータ | 値 |
---|---|
基準抵抗の値 (R1) | 1.96kΩ |
基準コンデンサの値 (C5) | 100nF |
リファレンス電圧 | 196mV |
電源オン時のリファレンス電圧のセトリング・タイム(1) | 470μs |
過電流トリップ・スレッショルド (立ち上がり) | 200mV/20.0A |
過電流トリップ・スレッショルド (立ち下がり) | 196mV/19.6A |