JAJSQT5A September   2023  – December 2023 AMC21C12

PRODUCTION DATA  

  1.   1
  2. 特長
  3. アプリケーション
  4. 概要
  5. ピン構成および機能
  6. 仕様
    1. 5.1 絶対最大定格
    2. 5.2 ESD 定格
    3. 5.3 推奨動作条件
    4. 5.4 熱に関する情報
    5. 5.5 パッケージ特性
    6. 5.6 電気的特性
    7. 5.7 スイッチング特性
    8. 5.8 タイミング図
    9. 5.9 代表的特性
  7. 詳細説明
    1. 6.1 概要
    2. 6.2 機能ブロック図
    3. 6.3 機能説明
      1. 6.3.1 アナログ入力
      2. 6.3.2 リファレンス入力
      3. 6.3.3 絶縁チャネルの信号伝送
      4. 6.3.4 オープン・ドレイン・デジタル出力
        1. 6.3.4.1 透過出力モード
        2. 6.3.4.2 ラッチ出力モード
      5. 6.3.5 パワーアップ動作とパワーダウン動作
      6. 6.3.6 VDD1 のブラウンアウトおよび電源喪失時の動作
    4. 6.4 デバイスの機能モード
  8. アプリケーションと実装
    1. 7.1 アプリケーション情報
    2. 7.2 代表的なアプリケーション
      1. 7.2.1 過電流の検出
        1. 7.2.1.1 設計要件
        2. 7.2.1.2 詳細な設計手順
        3. 7.2.1.3 アプリケーション曲線
      2. 7.2.2 過電圧検出
        1. 7.2.2.1 設計要件
        2. 7.2.2.2 詳細な設計手順
        3. 7.2.2.3 アプリケーション曲線
    3. 7.3 設計のベスト・プラクティス
    4. 7.4 電源に関する推奨事項
    5. 7.5 レイアウト
      1. 7.5.1 レイアウトのガイドライン
      2. 7.5.2 レイアウト例
  9. デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 8.1 ドキュメントのサポート
      1. 8.1.1 関連資料
    2. 8.2 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    3. 8.3 サポート・リソース
    4. 8.4 商標
    5. 8.5 静電気放電に関する注意事項
    6. 8.6 用語集
  10. 改訂履歴
  11. 10メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
  • DEN|8
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

詳細な設計手順

この例のシャント抵抗の値は 10mΩ で、ピーク・モーター電流での目標の電圧降下 (±25A において ±250mV) によって決定されます。±250mV は任意の値ですが、同じシャント抵抗を通過する電流を測定するため使用される、絶縁型電流センシング・アンプの線形入力電圧範囲とよく一致しています。

目的の 20A の過電流検出レベルでは、シャント抵抗の両端の電圧降下は 10mΩ × 20A = 200mV です。ウィンドウ・コンパレータの正方向のトリップ・スレッショルドは VREF + VHYS です。ここで、VHYS は 「電気的特性」の表で規定されている 4mV で、VREF は、REF ピンと GND1 ピンの間に接続された R1 の両端の電圧です。R1 は (VTRIP - VHYS) / IREF = (200mV - 4mV) / 100μA = 1.96kΩ と計算され、E96 シリーズの値 (1% 精度) と一致します。

入力信号をフィルタ処理し、ノイズに対する感度を下げるため、10Ω、1nF の RC フィルタ (R5、C6) をコンパレータの入力に配置します。このフィルタにより、保護回路の総応答時間を計算する際に考慮すべき 10Ω × 1nF = 10ns の伝播遅延が追加されます。そのシステムが追加の遅延に耐えられる場合、ノイズ耐性を高めるためにフィルタ定数を大きくすることを推奨します。

表 7-2 に、この設計の主要パラメータを示します。

表 7-2 過電流検出の設計例
パラメータ
基準抵抗の値 (R1) 1.96kΩ
基準コンデンサの値 (C5) 100nF
リファレンス電圧 196mV
電源オン時のリファレンス電圧のセトリング・タイム(1) 470μs
過電流トリップ・スレッショルド (立ち上がり) 200mV/20.0A
過電流トリップ・スレッショルド (立ち下がり) 196mV/19.6A
最終値の 90% までのセトリング・タイム。シミュレーションにより決定されます。「リファレンス入力」セクションで説明されているように、電源オン時にはセトリング・タイムを考慮する必要があります。