JAJSPD1 march 2023 AMC23C15
PRODUCTION DATA
この例のシャント抵抗の値は 1mΩ です。これは、AMC23C15 の 60mV の内部リファレンス電圧と目的の 60A の短絡検出スレッショルドによって決定された値です。
目的の 25A の過電流検出レベルでは、シャント抵抗の両端の電圧降下は 1mΩ × 25A = 25mV です。ウィンドウ・コンパレータ 1 の正方向のトリップ・スレッショルドは VREF + VHYS です。ここで、VHYS は「電気的特性」の表で規定されている 4mV で、VREF は、REF ピンと GND1 ピンの間に接続された R1 の両端の電圧です。R1 は (VTRIP - VHYS) / IREF = (25mV - 4mV) / 100μA = 210Ω と計算され、E96 シリーズの値 (1% 精度) と一致します。
入力信号をフィルタ処理し、ノイズに対する感度を下げるため、10Ω、1nF の RC フィルタ (R5、C6) をコンパレータの入力に配置します。このフィルタにより、保護回路の総応答時間を計算する際に考慮すべき 10Ω × 1nF = 10ns の伝播遅延が追加されます。そのシステムが追加の遅延に耐えられる場合、ノイズ耐性を高めるためにフィルタ定数を大きくすることを推奨します。
表 8-2 に、この設計の主要パラメータを示します。
パラメータ | 値 |
---|---|
基準抵抗の値 (R1) | 210Ω |
基準コンデンサの値 (C5) | 100nF |
リファレンス電圧 | 21mV |
リファレンス電圧のセトリング・タイム (最終値の 90% まで) | 50μs |
過電流トリップ・スレッショルド (立ち上がり) | 25mV/25.0A |
過電流トリップ・スレッショルド (立ち下がり) | 21mV/21A |
短絡電流トリップ・スレッショルド (立ち上がり) | 64mV/64A |
短絡電流トリップ・スレッショルド (立ち下がり) | 60mV/60.0A |