JAJSL46A August 2022 – December 2022 DRV8452
PRODUCTION DATA
ステッパ・モーター・システムの性能と可聴ノイズは、モーターと負荷の両方から発生するトルク・リップルによって異なります。トルク・リップルは、各マイクロステップにおけるトルクの変動によって定義されます。ほとんどのステッパ・モーターでは、標準的な正弦波マイクロステップ・インデクサで十分なトルク・リップルを実現し、最適な性能を達成できます。
ただし、モーターと負荷トルクの組み合わせによっては、電流プロファイルを変更するとトルク・リップルが減少し、振動と可聴ノイズが低減されます。適切にプログラムすると、カスタマイズされた電流波形により、一定のトルクでマイクロステップ位置が等間隔に配置されるため、最適な位置精度が確保されます。
たとえば、永久磁石モーターの場合、ステップ角 (3.6°~18°) がハイブリッド・モーター (0.9° または 1.8°) より大きいため、トルクの変動がより顕著になります。固定子歯の数が少ないため、ローターが 2 枚の固定子歯の間にあると、固定子歯とローターの間で作用するフラックスは少量になります。これらの中間位置で電流レベルが上昇すると、デフォルトの正弦波インデクサに比べてトルク・リップルが小さくなります。
DRV8452 には、特定のモーターの要件に合わせてマイクロステッピング電流プロファイルをカスタマイズするためのルックアップ・テーブルがあります。変更された電流プロファイルは、EN_CUSTOM に「1」を書き込むことで、デフォルトの正弦波プロファイルの代わりに使用されます。カスタム・マイクロステッピング・モードでのステップ入力の周波数は、300kHz を超えないようにする必要があります。補間プロセスの詳細を以下に示します。
ユーザーは、1/8 マイクロステッピング設定で、コイル A 電流の第 1 象限に対応する電流 (TRQ_DAC の %) をプログラムする必要があります。
表 7-15 に、ユーザーの入力例を示します。
位置 (°) |
正弦インデクサ値 |
修正値 (CUSTOM_CURRENTx) |
---|---|---|
0 | 0 | 0 |
11.25 | 49.7 | 24 |
22.5 | 97.6 | 56 |
33.75 | 141.7 | 96 |
45 | 180.3 | 152 |
56.25 | 212 | 192 |
67.5 | 235.6 | 224 |
78.75 | 250.1 | 240 |
90 | 255 | 255 |
図 7-9 に、正弦インデクサで生成される波形と比較した、完全な電気角におけるコイル A の対応する修正電流波形を示します。