JAJSJR7B August   2022  – October 2023 DRV8462

PRODUCTION DATA  

  1.   1
  2. 特長
  3. アプリケーション
  4. 概要
  5. 改訂履歴
  6. ピン構成および機能
  7. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD 定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報
    5. 6.5 電気的特性
      1. 6.5.1 SPI のタイミング要件
      2. 6.5.2 STEP/DIR タイミング要件
    6. 6.6 代表的な特性
  8. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1  動作インターフェイス
      2. 7.3.2  ステッパ・モーター・ドライバの電流定格
        1. 7.3.2.1 ピーク電流定格
        2. 7.3.2.2 RMS 電流定格
        3. 7.3.2.3 フルスケール電流定格
      3. 7.3.3  PWM モーター・ドライバ
      4. 7.3.4  マイクロステッピング・インデクサ
      5. 7.3.5  インデクサ出力
        1. 7.3.5.1 nHOME 出力
      6. 7.3.6  自動マイクロステッピング・モード
      7. 7.3.7  カスタム・マイクロステッピング表
      8. 7.3.8  電流レギュレーション
      9. 7.3.9  内部リファレンス電圧
      10. 7.3.10 静止電力節約モード
      11. 7.3.11 電流レギュレーション減衰モード
        1. 7.3.11.1 低速減衰
        2. 7.3.11.2 混合減衰
        3. 7.3.11.3 スマート・チューン・ダイナミック減衰
        4. 7.3.11.4 スマート・チューン・リップル・コントロール
        5. 7.3.11.5 PWM オフ時間
        6. 7.3.11.6 電流レギュレーション・ブランキング時間とグリッチ除去時間
      12. 7.3.12 外付け抵抗による電流検出
      13. 7.3.13 サイレント・ステップ減衰モード
      14. 7.3.14 自動トルクの動的電流調整
        1. 7.3.14.1 自動トルク学習ルーチン
        2. 7.3.14.2 電流制御ループ
        3. 7.3.14.3 PD 制御ループ
        4. 7.3.14.4 自動トルクによる効率向上
      15. 7.3.15 チャージ・ポンプ
      16. 7.3.16 リニア電圧レギュレータ
      17. 7.3.17 VCC 電圧電源
      18. 7.3.18 ロジック・レベル、トライレベル、クワッドレベルのピン構造図
      19. 7.3.19 スペクトラム拡散
      20. 7.3.20 保護回路
        1. 7.3.20.1  VM 低電圧誤動作防止
        2. 7.3.20.2  VCP 低電圧誤動作防止 (CPUV)
        3. 7.3.20.3  ロジック電源パワーオン・リセット (POR)
        4. 7.3.20.4  過電流保護 (OCP)
          1. 7.3.20.4.1 ラッチ付きシャットダウン
          2. 7.3.20.4.2 自動リトライ
        5. 7.3.20.5  ストール検出
        6. 7.3.20.6  開放負荷検出 (OL)
        7. 7.3.20.7  過熱警告 (OTW)
        8. 7.3.20.8  サーマル・シャットダウン (OTSD)
          1. 7.3.20.8.1 ラッチ付きシャットダウン
          2. 7.3.20.8.2 自動リトライ
        9. 7.3.20.9  電源電圧検出
        10. 7.3.20.10 nFAULT 出力
        11. 7.3.20.11 フォルト条件のまとめ
      21. 7.3.21 デバイスの機能モード
        1. 7.3.21.1 スリープ・モード
        2. 7.3.21.2 ディセーブル・モード
        3. 7.3.21.3 動作モード
        4. 7.3.21.4 nSLEEP リセット・パルス
        5. 7.3.21.5 機能モードのまとめ
    4. 7.4 プログラミング
      1. 7.4.1 シリアル・ペリフェラル・インターフェイス (SPI) 通信
        1. 7.4.1.1 SPI フォーマット
        2. 7.4.1.2 デイジー・チェーン構成における複数のターゲット・デバイスの SPI
        3. 7.4.1.3 並列構成における複数のターゲット・デバイスの SPI
    5. 7.5 レジスタ・マップ
      1. 7.5.1 ステータス・レジスタ
        1. 7.5.1.1 FAULT (アドレス=0x00) [デフォルト=00h]
        2. 7.5.1.2 DIAG1 (アドレス=0x01) [デフォルト=00h]
        3. 7.5.1.3 DIAG2 (アドレス=0x02) [デフォルト=00h]
        4. 7.5.1.4 DIAG3 (アドレス=0x03) [デフォルト=00h]
      2. 7.5.2 制御レジスタ
        1. 7.5.2.1  CTRL1 (アドレス = 0x04) [デフォルト = 0Fh]
        2. 7.5.2.2  CTRL2 (アドレス=0x05) [デフォルト=06h]
        3. 7.5.2.3  CTRL3 (アドレス=0x06) [デフォルト=38h]
        4. 7.5.2.4  CTRL4 (アドレス=0x07) [デフォルト=49h]
        5. 7.5.2.5  CTRL5 (アドレス=0x08) [デフォルト=03h]
        6. 7.5.2.6  CTRL6 (アドレス=0x09) [デフォルト=20h]
        7. 7.5.2.7  CTRL7 (アドレス=0x0A) [デフォルト=FFh]
        8. 7.5.2.8  CTRL8 (アドレス=0x0B) [デフォルト=0Fh]
        9. 7.5.2.9  CTRL9 (アドレス=0x0C) [デフォルト=10h]
        10. 7.5.2.10 CTRL10 (アドレス=0x0D) [デフォルト=80h]
        11. 7.5.2.11 CTRL11 (アドレス=0x0E) [デフォルト=FFh]
        12. 7.5.2.12 CTRL12 (アドレス=0x0F) [デフォルト=20h]
        13. 7.5.2.13 CTRL13 (アドレス=0x10) [デフォルト=10h]
        14. 7.5.2.14 CTRL14 (アドレス = 0x3C) [デフォルト = 58h]
      3. 7.5.3 インデクサ・レジスタ
        1. 7.5.3.1 INDEX1 (アドレス=0x11) [デフォルト=80h]
        2. 7.5.3.2 INDEX2 (アドレス=0x12) [デフォルト=80h]
        3. 7.5.3.3 INDEX3 (アドレス=0x13) [デフォルト=80h]
        4. 7.5.3.4 INDEX4 (アドレス=0x14) [デフォルト=82h]
        5. 7.5.3.5 INDEX5 (アドレス=0x15) [デフォルト=B5h]
      4. 7.5.4 カスタム・マイクロステッピング・レジスタ
        1. 7.5.4.1 CUSTOM_CTRL1 (アドレス=0x16) [デフォルト=00h]
        2. 7.5.4.2 CUSTOM_CTRL2 (アドレス=0x17) [デフォルト=00h]
        3. 7.5.4.3 CUSTOM_CTRL3 (アドレス=0x18) [デフォルト=00h]
        4. 7.5.4.4 CUSTOM_CTRL4 (アドレス=0x19) [デフォルト=00h]
        5. 7.5.4.5 CUSTOM_CTRL5 (アドレス=0x1A) [デフォルト=00h]
        6. 7.5.4.6 CUSTOM_CTRL6 (アドレス=0x1B) [デフォルト=00h]
        7. 7.5.4.7 CUSTOM_CTRL7 (アドレス=0x1C) [デフォルト=00h]
        8. 7.5.4.8 CUSTOM_CTRL8 (アドレス=0x1D) [デフォルト=00h]
        9. 7.5.4.9 CUSTOM_CTRL9 (アドレス=0x1E) [デフォルト=00h]
      5. 7.5.5 自動トルク・レジスタ
        1. 7.5.5.1  ATQ_CTRL1 (アドレス=0x1F) [デフォルト=00h]
        2. 7.5.5.2  ATQ_CTRL2 (アドレス=0x20) [デフォルト=00h]
        3. 7.5.5.3  ATQ_CTRL3 (アドレス=0x21) [デフォルト=00h]
        4. 7.5.5.4  ATQ_CTRL4 (アドレス=0x22) [デフォルト=20h]
        5. 7.5.5.5  ATQ_CTRL5 (アドレス=0x23) [デフォルト=00h]
        6. 7.5.5.6  ATQ_CTRL6 (アドレス=0x24) [デフォルト=00h]
        7. 7.5.5.7  ATQ_CTRL7 (アドレス=0x25) [デフォルト=00h]
        8. 7.5.5.8  ATQ_CTRL8 (アドレス=0x26) [デフォルト=00h]
        9. 7.5.5.9  ATQ_CTRL9 (アドレス=0x27) [デフォルト=00h]
        10. 7.5.5.10 ATQ_CTRL10 (アドレス=0x28) [デフォルト=08h]
        11. 7.5.5.11 ATQ_CTRL11 (アドレス=0x29) [デフォルト=0Ah]
        12. 7.5.5.12 ATQ_CTRL12 (アドレス=0x2A) [デフォルト=FFh]
        13. 7.5.5.13 ATQ_CTRL13 (アドレス=0x2B) [デフォルト=05h]
        14. 7.5.5.14 ATQ_CTRL14 (アドレス=0x2C) [デフォルト=0Fh]
        15. 7.5.5.15 ATQ_CTRL15 (アドレス=0x2D) [デフォルト=00h]
        16. 7.5.5.16 ATQ_CTRL16 (アドレス=0x2E) [デフォルト=FFh]
        17. 7.5.5.17 ATQ_CTRL17 (アドレス=0x2F) [デフォルト=00h]
        18. 7.5.5.18 ATQ_CTRL18 (アドレス=0x30) [デフォルト=00h]
      6. 7.5.6 サイレント・ステップ・レジスタ
        1. 7.5.6.1 SS_CTRL1 (アドレス=0x31) [デフォルト=00h]
        2. 7.5.6.2 SS_CTRL2 (アドレス=0x32) [デフォルト=00h]
        3. 7.5.6.3 SS_CTRL3 (アドレス=0x33) [デフォルト=00h]
        4. 7.5.6.4 SS_CTRL4 (アドレス=0x34) [デフォルト=00h]
        5. 7.5.6.5 SS_CTRL5 (アドレス=0x35) [デフォルト=FFh]
  9. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 設計要件
      2. 8.2.2 詳細な設計手順
        1. 8.2.2.1 ステッパ・モーターの速度
      3. 8.2.3 アプリケーション特性の波形
      4. 8.2.4 熱に関連するアプリケーション
        1. 8.2.4.1 消費電力
        2. 8.2.4.2 導通損失
        3. 8.2.4.3 スイッチング損失
        4. 8.2.4.4 静止時電流による消費電力
        5. 8.2.4.5 全消費電力
        6. 8.2.4.6 デバイスの接合部温度の推定
        7. 8.2.4.7 熱画像
  10. 熱に関する注意事項
    1. 9.1 DDV パッケージ
    2. 9.2 DDW パッケージ
    3. 9.3 PCB 材料に関する推奨事項
  11. 10電源に関する推奨事項
    1. 10.1 バルク容量
    2. 10.2 電源
  12. 11レイアウト
    1. 11.1 レイアウトのガイドライン
    2. 11.2 レイアウト例
  13. 12デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 12.1 関連資料
    2. 12.2 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    3. 12.3 サポート・リソース
    4. 12.4 商標
    5. 12.5 静電気放電に関する注意事項
    6. 12.6 用語集
  14. 13メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

カスタム・マイクロステッピング表

ステッパ・モーター・システムの性能と可聴ノイズは、モーターと負荷の両方から発生するトルク・リップルによって異なります。トルク・リップルは、各マイクロステップにおけるトルクの変動によって定義されます。ほとんどのステッパ・モーターでは、標準的な正弦波マイクロステップ・インデクサで許容範囲のトルク・リップルと、良好な性能を達成できます。

ただし、一部のモーターおよび負荷トルクの組み合わせでは、電流プロファイルを変更するとトルク・リップルが減少し、振動と可聴ノイズが低減することがあります。適切にプログラムすると、カスタマイズされた電流波形により、一定のトルクでマイクロステップ位置が均等に分散されるため、最高の位置精度が保証されます。

たとえば、永久磁石モーターの場合、ステップ角 (3.6°~18°) がハイブリッド・モーター (0.9° または 1.8°) より大きいため、トルクの変動がより顕著になります。固定子の歯数が少ないため、回転子が 2 つの固定子の歯の間にあるときに、固定子の歯と回転子の間で相互に作用する磁束の量が少なくなります。これらの中間位置で電流レベルが上昇すると、デフォルトの正弦波インデクサに比べてトルク・リップルが小さくなります。

DRV8462 は、特定のモーターの要件に合わせてマイクロステッピング電流プロファイルを調整するためのルックアップ・テーブルを備えています。変更した電流プロファイルは、EN_CUSTOM ビットに「1」を書き込むことで、デフォルトの正弦波プロファイルの代わりに使用されます。カスタム・マイクロステッピング・モードでのステップ入力の周波数は、300kHz を超えないようにします。補間プロセスの詳細を以下に示します。

  • ユーザーは、1/8 マイクロステッピング設定で、コイル A 電流の第 1 象限に対応する電流 (TRQ_DAC の %) をプログラムする必要があります。

  • これらの電流値は、CUSTOM_CURRENT1 レジスタから CUSTOM_CURRENT8 レジスタに保存されます。

  • これらの電流値の位置は、電気角 11.25°、22.5°、33.75°、45°、56.25°、67.5°、78.75°、90° に対応します。

  • 0° の位置の電流値はゼロとします。

  • 9 つの電流値 (0% フルスケール電流を含む) は、区分線形手法を使用して合計 256 ポイントまで補間され、完全な電流波形が作られます。補完された波形は、プログラムされたマイクロステッピング・モードに関係なく、常に 1/256 のマイクロステップに対応します。

  • 次に、最初の象限の値を反転し、コイル A の他の 3 つの象限について繰り返します。また、コイル B の電流についても同様に 4 つの象限に繰り返し、完全な電流波形を作り上げます。

表 7-15 に、ユーザーの入力例を示します。

表 7-15 カスタム・マイクロステッピング表の値

位置 (°)

正弦インデクサ値

修正値 (CUSTOM_CURRENTx)

0

0

0

11.25

49.7

24

22.5

97.6

56

33.75

141.7

96

45

180.3

152

56.25

212

192

67.5

235.6

224

78.75

250.1

240

90

255

255

図 7-9 に、正弦インデクサで生成される波形と比較した、完全な電気角におけるコイル A の対応する修正電流波形を示します。

GUID-20221208-SS0I-CBTF-XNTD-G28W09DPZ2DQ-low.svg図 7-9 カスタマイズ可能なマイクロステッピング