JAJSHK1B August 2019 – January 2021 DRV8876-Q1
PRODUCTION DATA
デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。
IPROPI ピンは、AIPROPI でスケーリングされる H ブリッジのローサイド・パワー MOSFET を流れる電流に比例したアナログ電流を出力します。IPROPI の出力電流はEquation1 で計算できます。Equation1 の ILSx は、ローサイド MOSFET のドレインからソースに電流が流れるときのみ有効です。ソースからドレインに電流が流れる場合、そのチャネルの ILSx の値はゼロです。たとえば、ブリッジにブレーキがかかっている場合 (スロー・ディケイ状態)、IPROPI から流れ出る電流はローサイド MOSFET のうちの 1 つの電流にのみ比例します。
内部電流ミラー・アーキテクチャで電流を測定するため、外付け検出抵抗は不要です。また、電流ミラー・アーキテクチャにより、ドライブ期間とブレーキ (ローサイド・スロー・ディケイ) 期間の両方でモータ巻線電流を検出できるため、一般的な双方向ブラシ付き DC モータ用途で電流を常時監視できます。コースト・モードでは、電流がソースからドレインに流れるため、電流が還流して電流を検出できません。しかし、ドライブ・モードまたはスロー・ディケイ・モードでドライバを短い間有効にして電流を測定した後、コースト・モードに戻すことで、その電流をサンプリングできます。独立 PWM モードで両方のローサイド MOSFET に電流が流れている場合、IPROPI の出力は 2 つのローサイド MOSFET の電流の和となります。
IIPROPI アナログ電流出力により IPROPI ピンで比例電圧 (VIPROPI) を生成するために、IPROPI ピンは外付け抵抗 (RIPROPI) を介してグランドに接続する必要があります。これにより、標準のアナログ / デジタル・コンバータ (ADC) を使用して、RIPROPI 抵抗両端の電圧降下として負荷電流を測定できます。RIPROPI 抵抗は、すべてのコントローラ ADC を利用できるように、そのアプリケーションの負荷電流の期待値に基づいて値を調整できます。また、DRV887x-Q1 は IPROPI 電圧クランプ回路を備えているため、VREF ピンの VVREF を基準として VIPROPI 電圧を制限し、出力過電流または想定外の大電流イベント時に外部 ADC を保護できます。
出力電流に対応する IPROPI 電圧は、Equation2 で計算できます。
IPROPI 出力の帯域幅は、DRV887x-Q1 の内部電流検出回路の検出遅延時間 (tDELAY) によって制限されます。この時間は、ローサイド MOSFET イネーブル・コマンド (PH/EN ピンの INx) から IPROPI 出力準備完了までの遅延に相当します。デバイスが H ブリッジ PWM パターンで駆動とスロー・ディケイ (ブレーキ) を繰り返している場合、電流を検出するローサイド MOSFET は連続的にオンし、検出遅延時間は IPROPI 出力に影響を与えません。INx (PH/EN ピン) のコマンドがTopic Link Label7.3.2 の論理表に従ってローサイド MOSFET をディスエーブルすると、IPROPI 出力は入力ロジック信号によってディスエーブルされます。ローサイド MOSFET はディスエーブルする際に、本デバイスのスルーレートに従って電流を流し続けようとする場合がありますが (電気的特性表に tRISE 時間として記載)、このターンオフ時間中のローサイド MOSFET の電流は IPROPI に反映されません。